PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第25問

理学療法評価学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第25問(理学療法評価学)の正答は 3・4 です。転子果長は大転子から外果(外顆)までの距離を測る下肢長で、大腿骨大転子より遠位の要素にのみ影響される。

問題
転子果長の測定に影響を与えるのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 脊柱の側弯
  2. 2. 大腿骨頸部骨折
  3. 3. 膝関節の腫脹
  4. 4. 膝関節の伸展制限
  5. 5. 足関節の背屈制限

正答:3・4番

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解説
■ 正答:3・4番 — 膝関節の腫脹/膝関節の伸展制限

転子果長は大転子から外果(外顆)までの距離を測る下肢長で、大腿骨大転子より遠位の要素にのみ影響される。膝関節に腫脹があったり伸展制限があったりすると、膝が屈曲位となって大転子と外果を結ぶ直線距離が短縮し、測定値が変化する。


【各選択肢の解説】

1. 脊柱の側弯
❌ 誤り。脊柱側弯や骨盤傾斜が影響するのは、臍や上前腸骨棘を起点とする棘果長(SMD)や臍果長である。転子果長は大転子を起点とするため影響を受けない。
2. 大腿骨頸部骨折
❌ 誤り。大腿骨頸部は大転子より近位・内側にあり、頸部の短縮は転子果長には反映されない。頸部骨折による脚長差は棘果長で検出する。
3. 膝関節の腫脹
✅ 正しい。関節液貯留などで腫脹があると膝は軽度屈曲位(関節内圧が最も低くなる肢位)をとりやすく、大転子と外果の直線距離が短くなって測定値に影響する。
4. 膝関節の伸展制限
✅ 正しい。膝が完全伸展できず屈曲位に固定されると、大転子と外果を結ぶ距離は実際の骨長より短く測定される。膝の肢位は転子果長の測定誤差の最大要因である。
5. 足関節の背屈制限
❌ 誤り。転子果長の遠位の指標は外果であり、足関節から末梢の肢位は測定区間に含まれない。したがって背屈制限は測定値に影響しない。

【試験対策ポイント】

下肢長の測定は、起点の違いで「何を拾い、何を拾わないか」が決まる。

測定名起点→終点影響を受ける主な要因
棘果長(SMD)上前腸骨棘→内果骨盤傾斜・脊柱側弯・股関節の変形・頸部骨折・膝の肢位
転子果長大転子→外果大腿骨骨幹部・下腿の長さ・膝の肢位
臍果長臍→内果骨盤傾斜・股関節の内外転拘縮など(見かけの脚長)

棘果長と転子果長の差から「真の脚長差が股関節より近位か遠位か」を判別するのが臨床的な使い方。棘果長のみ短縮していれば大腿骨頸部や股関節の問題、両方短縮していれば大腿骨骨幹部以下の問題を疑う。測定時は左右を同一肢位(骨盤水平・両下肢を同じ角度)に揃えることが必須である。

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