PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第32問

物理療法第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第32問(物理療法)の正答は 5 です。水面に接した部分が前方へ進むと水面に波が立ち、その波を作るためにエネルギーが奪われる。

問題
水面が前胸部の深さのプール内で前方に歩行中、水面から前胸部が受ける力はどれか。
  1. 1. 静水圧
  2. 2. 摩擦抵抗
  3. 3. 粘性抵抗
  4. 4. 渦抵抗
  5. 5. 造波抵抗 ✓

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 造波抵抗

水面に接した部分が前方へ進むと水面に波が立ち、その波を作るためにエネルギーが奪われる。これが造波抵抗である。設問では水面がちょうど前胸部の高さにあり、前胸部が水面を切って進むため、水面から受ける力は造波抵抗となる。


【各選択肢の解説】

1. 静水圧
❌ 誤り。静水圧は水深に比例して全方向から等しく作用する圧で、水深1 mで約76 mmHgに相当する。運動の有無や進行方向とは無関係で、「水面から受ける力」ではない。
2. 摩擦抵抗
❌ 誤り。摩擦抵抗は体表面と水との接触面で生じる抵抗で、表面の粗さや面積に依存する。水面に限って作用するものではない。
3. 粘性抵抗
❌ 誤り。粘性抵抗は水そのものの粘性(内部摩擦)に由来し、動く速度が速いほど大きくなって身体全体に作用する(水中運動で受ける抵抗はおよそ速度の2乗に比例して増える)。水面特有の力ではない。
4. 渦抵抗
❌ 誤り。渦抵抗(形状抵抗)は進行方向の後方にできる渦(乱流)による陰圧が身体を引き戻す力で、前胸部ではなく背側で問題となる。
5. 造波抵抗
✅ 正しい。水面を切って進むことで生じる波によって受ける抵抗で、水面の高さにある前胸部が受ける力そのものである。速度が上がるほど急激に増大する。

【試験対策ポイント】

水の物理的特性は水中運動療法の根拠として頻出。浮力(体重の免荷。頸部までの浸水で体重の約10%、剣状突起で約30%、上前腸骨棘で約50%が支持される)、静水圧(水深に比例。呼吸筋負荷や静脈還流の増加をもたらす)、水温(不感温度34〜35度。温水では筋弛緩・血流増加)、抵抗(運動速度の2乗にほぼ比例し、自動的に負荷が調整される)。

抵抗の4種類は成因で覚える。摩擦抵抗=体表面と水との接触/粘性抵抗=水の粘性/渦抵抗=後方の渦・乱流/造波抵抗=水面に波を立てる。水中歩行では速度を上げるほど抵抗が急増するので、歩行速度が運動強度の調整因子になる点も押さえる。

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