PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第35問

整形外科疾患理学療法第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第35問(整形外科疾患理学療法)の正答は 5 です。これは誤っているものを選ぶ設問である。

問題
膝関節前十字靱帯再建術後4週の時点に行う患肢の筋力増強訓練として誤っているのはどれか。
  1. 1. レッグカール
  2. 2. ハーフスクワット
  3. 3. バイクエクササイズ
  4. 4. 大腿四頭筋セッティング
  5. 5. 大腿部筋群の等運動性収縮訓練

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 大腿部筋群の等運動性収縮訓練

これは誤っているものを選ぶ設問である。前十字靱帯(ACL)再建術後4週は移植腱がまだ脆弱な時期で、等運動性(アイソキネティック)装置による大腿四頭筋の運動は膝伸展の強い抵抗が下腿遠位にかかり、脛骨の前方剪断力=移植腱への牽引力が大きくなる。通常この訓練は術後3か月以降まで待つため、5が誤りで正答となる。


【各選択肢の解説】

1. レッグカール
✅ 正しい(実施できる)。ハムストリングスの収縮は脛骨を後方に引き、移植腱を保護する方向に働く。膝屈曲筋の強化は早期から行ってよい。
2. ハーフスクワット
✅ 正しい(実施できる)。閉鎖運動連鎖(CKC)の運動で、大腿四頭筋とハムストリングスが同時に働き、剪断力が小さい。浅い角度(0〜60度程度)のスクワットは早期から導入される。
3. バイクエクササイズ
✅ 正しい(実施できる)。両下肢で行うCKC運動で関節への衝撃が少なく、可動域と持久性の改善に有用。膝屈曲可動域が確保できれば早期から実施する。
4. 大腿四頭筋セッティング
✅ 正しい(実施できる)。膝伸展位での等尺性収縮で、術直後から行う基本的な訓練である。関節運動を伴わないため移植腱への負担が小さい。
5. 大腿部筋群の等運動性収縮訓練
❌ 誤り(この時期には実施しない)。特に開放運動連鎖(OKC)での膝伸展運動は、膝屈曲30度から伸展位にかけて脛骨前方移動が大きく、再建靱帯の弛緩・再断裂の危険がある。実施は術後3か月以降が一般的である。

【試験対策ポイント】

ACL再建術後のリハビリテーションは「移植腱に前方剪断力をかけない」が最大の原則。

区分特徴ACL術後
CKC(スクワット・レッグプレス)遠位が固定。共同収縮が起こり剪断力が小さい早期から可
OKC(レッグエクステンション)遠位が自由。膝伸展で脛骨が前方へ引かれる後期まで制限

ハムストリングスは脛骨を後方に引くACLの補助筋(アゴニスト)大腿四頭筋は脛骨を前方に引く拮抗的な働きという関係を押さえること(PCL損傷では逆になる)。

一般的な経過は、術直後から可動域運動と大腿四頭筋セッティング、2〜4週で部分荷重から全荷重、3か月ごろからジョギング、競技復帰は6〜9か月以降。ACL損傷の徒手検査はLachmanテスト(最も感度が高い)・前方引き出しテスト・Nテスト(pivot shift)

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