第47回 理学療法士国家試験 午後 第39問
神経内科学第47回午後
第47回 理学療法士国家試験 午後 第39問(神経内科学)の正答は 2・3 です。異所性骨化は本来骨組織のない軟部組織(関節周囲の筋・結合組織)に骨が形成される病態で、脊髄損傷では股関節周囲に最も多く生じる。
問題
脊髄損傷患者に生じる異所性骨化で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. 脊柱に好発する。
- 2. 初期には局所の熱感を生じる。 ✓
- 3. 関節拘縮の矯正手技が誘因になる。 ✓
- 4. 血中アルカリフォスファターゼ値が低下する。
- 5. 血中カルシウム値が上昇する。
正答:2・3番
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解説
■ 正答:2・3番 — 初期には局所の熱感を生じる/関節拘縮の矯正手技が誘因になる
異所性骨化は本来骨組織のない軟部組織(関節周囲の筋・結合組織)に骨が形成される病態で、脊髄損傷では股関節周囲に最も多く生じる。発症初期には局所の発赤・腫脹・熱感・可動域制限という炎症所見を呈し、強引な関節可動域訓練(矯正手技)や外傷が誘因になるとされる。
【各選択肢の解説】
1. 脊柱に好発する。
❌ 誤り。好発部位は損傷高位より下の大関節周囲で、股関節が最多、次いで膝・肩・肘である。脊柱そのものに好発するわけではない。
❌ 誤り。好発部位は損傷高位より下の大関節周囲で、股関節が最多、次いで膝・肩・肘である。脊柱そのものに好発するわけではない。
2. 初期には局所の熱感を生じる。
✅ 正しい。初期は発赤・腫脹・熱感・関節可動域の急な低下といった炎症症状で発症する。感覚障害があるため疼痛の訴えに乏しく、深部静脈血栓症との鑑別が問題となる。
✅ 正しい。初期は発赤・腫脹・熱感・関節可動域の急な低下といった炎症症状で発症する。感覚障害があるため疼痛の訴えに乏しく、深部静脈血栓症との鑑別が問題となる。
3. 関節拘縮の矯正手技が誘因になる。
✅ 正しい。強い他動運動や急激な矯正による軟部組織の微小損傷・出血が誘因になると考えられており、急性期には愛護的な可動域運動にとどめる。
✅ 正しい。強い他動運動や急激な矯正による軟部組織の微小損傷・出血が誘因になると考えられており、急性期には愛護的な可動域運動にとどめる。
4. 血中アルカリフォスファターゼ値が低下する。
❌ 誤り。骨形成が亢進するため血清アルカリフォスファターゼ(ALP)は上昇する。早期診断の指標として用いられ、単純エックス線より先に上昇する。
❌ 誤り。骨形成が亢進するため血清アルカリフォスファターゼ(ALP)は上昇する。早期診断の指標として用いられ、単純エックス線より先に上昇する。
5. 血中カルシウム値が上昇する。
❌ 誤り。血清カルシウムは通常正常範囲にとどまる。なお脊髄損傷では不動による高カルシウム尿・尿路結石が問題になるが、異所性骨化そのものの所見ではない。
❌ 誤り。血清カルシウムは通常正常範囲にとどまる。なお脊髄損傷では不動による高カルシウム尿・尿路結石が問題になるが、異所性骨化そのものの所見ではない。
【試験対策ポイント】
異所性骨化は脊髄損傷・頭部外傷・熱傷・人工股関節置換術後などに合併する。脊髄損傷では受傷後1〜4か月に多く、発生率は20〜30%程度とされる。
診断は血清ALPの上昇が最も早期、次いで骨シンチグラフィで異常集積、単純エックス線での石灰化像は発症から2〜4週以上遅れて出現する。
理学療法上の要点は、急性期は炎症を助長しないよう愛護的な可動域運動を継続する(完全に安静にすると強直する)こと。強引な伸張は禁忌。治療にはNSAIDs・ビスホスホネート・放射線照射があり、成熟後(ALP正常化後)に可動域制限が強ければ外科的切除が検討される。
深部静脈血栓症も同じく腫脹・熱感を呈するため、鑑別が国試でも問われる。
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