PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第38問

神経疾患理学療法第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第38問(神経疾患理学療法)の正答は 2 です。これは誤っている組合せを選ぶ設問である。

問題
脊髄完全損傷の機能残存レベルと到達可能なADLの組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. C3 ―― 下顎による電動車椅子の操作
  2. 2. C7 ―― 自助具なしでの書字
  3. 3. T1 ―― プッシュアップ動作
  4. 4. T6 ―― 床から車椅子への移乗
  5. 5. L2 ―― 長下肢装具とクラッチとを用いての歩行

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — C7 ―― 自助具なしでの書字

これは誤っている組合せを選ぶ設問である。C7機能残存では上腕三頭筋が働きプッシュアップや移乗が可能になるが、手指の屈筋・手内在筋が機能しないため、把持は不十分で書字には自助具(万能カフ・太柄のペンなど)が必要である。自助具なしの書字が可能になるのはC8以下であり、2の組合せが誤っている。


【各選択肢の解説】

1. C3 ―― 下顎による電動車椅子の操作
✅ 正しい。C3では上下肢は動かせないが、頭頸部の運動は残るため、下顎(チンコントロール)や呼気吸気(ブレスコントロール)で電動車椅子を操作できる。人工呼吸器を要する場合もある。
2. C7 ―― 自助具なしでの書字
❌ 誤り。C7では上腕三頭筋・橈側手根伸筋などが働き、プッシュアップや車椅子とベッド間の移乗が自立レベルになるが、手指の巧緻動作はできない。書字には把持用の自助具が必要である。
3. T1 ―― プッシュアップ動作
✅ 正しい。プッシュアップは上腕三頭筋が働くC7から可能で、手内在筋も残るT1ではより確実に行える。褥瘡予防の除圧動作として重要である。
4. T6 ―― 床から車椅子への移乗
✅ 正しい。T6では上肢機能が完全で体幹上部の安定も得られるため、床上動作や床から車椅子への移乗が可能となる。
5. L2 ―― 長下肢装具とクラッチとを用いての歩行
✅ 正しい。L2では腸腰筋が機能して股関節屈曲が可能なため、長下肢装具とクラッチを用いた実用的でない範囲を含む歩行が可能とされる。屋外実用歩行はL4以下(短下肢装具)が目安である。

【試験対策ポイント】

脊髄損傷の機能残存レベルとADLは頻出。境目を覚える。

レベル重要な残存筋到達目標の目安
C4横隔膜・僧帽筋呼吸自立。電動車椅子(顎・呼気)
C5三角筋・上腕二頭筋自助具で食事。車椅子は駆動可(ハンドリム加工)
C6橈側手根伸筋テノデーシスアクションで把持。移乗・更衣が可能に
C7上腕三頭筋プッシュアップ・移乗自立。書字は自助具
C8〜T1手指屈筋・手内在筋手指の把持が可能=自助具なしで書字
T6上部体幹床からの移乗、車椅子ADL自立
T12腹筋・腰背筋長下肢装具と松葉杖で実用歩行が視野に
L4大腿四頭筋短下肢装具で実用歩行

C6=テノデーシス、C7=プッシュアップ、C8=手指把持(書字)」の3点を押さえると、この形式の問題はほぼ解ける。

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