PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第40問

地域理学療法第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第40問(地域理学療法)の正答は 2 です。これは適切でないものを選ぶ設問である。

問題
脊髄損傷患者(第10胸髄節まで機能残存)の家屋改造について適切でないのはどれか。
  1. 1. ドアの開口部は90 cmとする。
  2. 2. スロープの勾配は1/6とする。
  3. 3. 車椅子の回転スペースは直径150 cmとする。
  4. 4. 便座の高さは車椅子のシートの高さに合わせる。
  5. 5. 電灯のスイッチは床から90〜100 cmの高さにする。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — スロープの勾配は1/6とする。

これは適切でないものを選ぶ設問である。第10胸髄節まで機能残存する対麻痺では車椅子が主な移動手段となる。自走用スロープの勾配は1/12〜1/15(傾斜角にして約4〜5度)が基準であり、1/6(約9.5度)は自力での昇降が困難なほど急である。したがって2が適切でない。


【各選択肢の解説】

1. ドアの開口部は90 cmとする。
✅ 適切である。車椅子の全幅は概ね63〜70 cmで、通過には有効幅80 cm以上が必要とされる。開口部90 cmであれば余裕をもって通過できる。
2. スロープの勾配は1/6とする。
❌ 適切でない。1/6は高さ1に対し水平距離6という急勾配で、自走での昇降はほぼ不可能であり降りるときも危険である。自走を前提とするなら1/12以下にする。
3. 車椅子の回転スペースは直径150 cmとする。
✅ 適切である。車椅子が360度方向転換するには直径150 cmの空間が必要とされる。トイレ・浴室・玄関などの設計基準として頻出の数値である。
4. 便座の高さは車椅子のシートの高さに合わせる。
✅ 適切である。座面の高さを揃えると水平方向の側方移乗(スライディングボード使用を含む)が容易かつ安全になる。T10レベルでは移乗は自立可能である。
5. 電灯のスイッチは床から90〜100 cmの高さにする。
✅ 適切である。一般的な壁スイッチは床から約120 cmだが、車椅子座位からは手が届きにくい。90〜100 cm程度に下げると操作しやすい。

【試験対策ポイント】

住宅改修の数値は暗記事項。スロープ勾配1/12以下(介助者ありでも1/8程度まで)、廊下の有効幅78〜85 cm以上、出入口の有効幅80 cm以上、車椅子の回転スペース直径150 cm、手すりの高さ75〜80 cm、テーブル・洗面台の下部は膝が入るよう高さ65〜70 cmの空間を確保

介護保険の住宅改修(支給限度基準額20万円・原則1回)の対象は、①手すりの取付け、②段差の解消、③滑りの防止・移動円滑化のための床材変更、④引き戸等への扉の取替え、⑤洋式便器等への便器の取替え、⑥それらに付帯する工事の6項目。段差解消機やリフトなどの設備は住宅改修ではなく福祉用具の扱いになる点が引っかけどころ。

T10レベルでは腹筋群の一部が残存し座位バランスが良好で、車椅子でのADLは自立が目標となる。

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