PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第69問

運動学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第69問(運動学)の正答は 3・5 です。前鋸筋(特に下部線維)は肩甲骨下角を外側前方へ引き、僧帽筋上部・下部線維とフォースカップルを形成して上方回旋を起こします。

問題
肩甲骨の運動と筋の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 挙上 ―― 小胸筋
  2. 2. 下制 ―― 大菱形筋
  3. 3. 上方回旋 ―― 前鋸筋
  4. 4. 下方回旋 ―― 僧帽筋下部線維
  5. 5. 内転 ―― 僧帽筋中部線維

正答:3・5番

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解説
■ 正答:3・5番 — 上方回旋 ―― 前鋸筋/内転 ―― 僧帽筋中部線維

前鋸筋(特に下部線維)は肩甲骨下角を外側前方へ引き、僧帽筋上部・下部線維とフォースカップルを形成して上方回旋を起こします。僧帽筋中部線維は肩甲骨を脊柱側へ引き寄せる内転(内転=肩甲骨の後退)の主動作筋です。


【各選択肢の解説】

1. 挙上 ―― 小胸筋
❌ 誤り。小胸筋は烏口突起に停止し、肩甲骨を下制・下方回旋・前傾させます。挙上は僧帽筋上部線維・肩甲挙筋・菱形筋が担います。
2. 下制 ―― 大菱形筋
❌ 誤り。大菱形筋は肩甲骨の内転・挙上・下方回旋に働きます。下制は僧帽筋下部線維・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋です。
3. 上方回旋 ―― 前鋸筋
✅ 正しい。前鋸筋は肩甲骨を胸郭に押しつけつつ上方回旋させ、上肢挙上に不可欠です。麻痺すると翼状肩甲(長胸神経麻痺)を呈します。
4. 下方回旋 ―― 僧帽筋下部線維
❌ 誤り。僧帽筋下部線維は肩甲骨を下制しながら上方回旋させます。下方回旋は菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋です。
5. 内転 ―― 僧帽筋中部線維
✅ 正しい。僧帽筋中部線維は肩甲骨を水平に内側へ引く内転の主動作筋で、菱形筋も内転に協働します。

【試験対策ポイント】

肩甲骨の6方向の運動と筋を表で整理します。

運動主な筋
挙上僧帽筋上部線維・肩甲挙筋・菱形筋
下制僧帽筋下部線維・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋
内転(後退)僧帽筋中部線維・大小菱形筋
外転(前突)前鋸筋・小胸筋
上方回旋前鋸筋・僧帽筋上部線維・僧帽筋下部線維
下方回旋菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋

上方回旋のフォースカップル=僧帽筋上部+僧帽筋下部+前鋸筋は最頻出。菱形筋と小胸筋は「下方回旋」でそろえて覚え、僧帽筋は上部が挙上、中部が内転、下部が下制で、上部・下部はどちらも上方回旋に働く点を区別します。

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