PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第77問

神経内科学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第77問(神経内科学)の正答は 2 です。提示された頭部単純CTは基底核レベルの水平断で、画像の左側(患者の左大脳半球)のレンズ核部に、境界の明瞭な楕円形の高吸収域(白い塊)がみられます。

問題
頭部CT(別冊No. 5)を別に示す。所見として考えられるのはどれか。
第47回午後第77問 図
  1. 1. 脳梗塞
  2. 2. 被殻出血
  3. 3. 尾状核出血
  4. 4. くも膜下出血
  5. 5. 頭頂葉皮質下出血

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 被殻出血

提示された頭部単純CTは基底核レベルの水平断で、画像の左側(患者の左大脳半球)のレンズ核部に、境界の明瞭な楕円形の高吸収域(白い塊)がみられます。側脳室前角の外側で、内包の外側に位置する深部の血腫であり、被殻出血の典型像です。


【各選択肢の解説】

1. 脳梗塞
❌ 誤り。急性期脳梗塞はCTで低吸収域(黒く)として描出され、発症直後は所見が不明瞭なことも多い病態です。本例は明らかな高吸収域であり出血です。
2. 被殻出血
✅ 正しい。血腫は左レンズ核(被殻)の部位にあり、外側に凸のレモン様・紡錘形を示しています。被殻出血は脳出血の中で最多(約40〜50%)で、高血圧を背景に外側線条体動脈の破綻で生じます。
3. 尾状核出血
❌ 誤り。尾状核頭は側脳室前角のすぐ外側前方に接する部位にあり、出血すると脳室内穿破を伴いやすい前方内側寄りの血腫となります。本例の血腫はより外側かつ後方に位置します。
4. くも膜下出血
❌ 誤り。くも膜下出血では脳槽(鞍上槽のヒトデ型)・シルビウス裂・脳溝に沿って高吸収域が広がります。本例は脳実質内に限局した塊状の血腫で分布が異なります。
5. 頭頂葉皮質下出血
❌ 誤り。皮質下出血は脳表近くの白質(皮質直下)に生じます。本例の血腫は脳の深部(基底核レベル)にあり、皮質下ではありません。

【試験対策ポイント】

CTの読影は「白いか黒いか」→「どこにあるか」の順で判断します。急性期の出血=高吸収(白)、脳梗塞=低吸収(黒)が大原則です。

出血部位頻度特徴的な症状
被殻最多(約40〜50%)反対側片麻痺・感覚障害・共同偏視(病巣側を向く)
視床約30%感覚障害優位・内下方への共同偏視・視床痛
皮質下約10%部位に応じた失語・半側空間無視など皮質症状
小脳約10%回転性めまい・嘔吐・体幹失調(片麻痺なし)
脳幹(橋)約10%意識障害・四肢麻痺・縮瞳・除脳硬直

被殻出血と視床出血の鑑別は、血腫が内包の外側なら被殻・内側なら視床、および眼球の共同偏視の向き(被殻=病巣側を注視/視床=内下方偏位)が決め手です。小脳出血では片麻痺を伴わない点も鑑別のポイントになります。

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