第48回 理学療法士国家試験 午前 第7問
義肢装具学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第7問(義肢装具学)の正答は 3 です。立脚後期(踵離地から足趾離地)では、中足指節(MP)関節が伸展して足趾で床を押す動きが必要です。
問題
82歳の女性。脳卒中後の右片麻痺。プラスチック製短下肢装具を装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。右立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。装具に修正を加えたところ歩容は改善した。装具に加えた修正はどれか。
- 1. 装具の高さをヒラメ筋の起始部付近まで低くした。
- 2. 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)した。
- 3. 中足指節関節部から遠位を切除した。 ✓
- 4. アーチサポートを挿入した。
- 5. 足部のベルクロの固定を緩めた。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 中足指節関節部から遠位を切除した。
立脚後期(踵離地から足趾離地)では、中足指節(MP)関節が伸展して足趾で床を押す動きが必要です。この患者の装具は足尖まで足底部があり足継手もないため、MP関節が伸展できず立脚後期が極端に短くなっていました。MP関節より遠位を切除すると足趾の伸展が許され、立脚後期が確保されて歩容が改善します。
【各選択肢の解説】
1. 装具の高さをヒラメ筋の起始部付近まで低くした。
❌ 誤り。下腿部のトリミングを下げると装具の支持性・制動力が落ち、かえって立脚期の安定性が低下する。
❌ 誤り。下腿部のトリミングを下げると装具の支持性・制動力が落ち、かえって立脚期の安定性が低下する。
2. 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)した。
❌ 誤り。固定性を高めると立脚中期以降に必要な下腿の前傾(背屈)まで妨げられ、立脚後期はさらに短くなる。
❌ 誤り。固定性を高めると立脚中期以降に必要な下腿の前傾(背屈)まで妨げられ、立脚後期はさらに短くなる。
3. 中足指節関節部から遠位を切除した。
✅ 正しい。MP関節の伸展が可能となり、踵離地から足趾離地への移行がスムーズになる。立脚後期の延長と安定性向上が得られる。
✅ 正しい。MP関節の伸展が可能となり、踵離地から足趾離地への移行がスムーズになる。立脚後期の延長と安定性向上が得られる。
4. アーチサポートを挿入した。
❌ 誤り。内側縦アーチの支持は扁平足や後足部外反の制御に有効だが、立脚後期の短縮とは直接関係しない。
❌ 誤り。内側縦アーチの支持は扁平足や後足部外反の制御に有効だが、立脚後期の短縮とは直接関係しない。
5. 足部のベルクロの固定を緩めた。
❌ 誤り。足部が装具内で動いてしまい固定性が低下する。立脚期の不安定性はむしろ悪化する。
❌ 誤り。足部が装具内で動いてしまい固定性が低下する。立脚期の不安定性はむしろ悪化する。
【試験対策ポイント】
- 歩行周期と装具の対応:立脚初期(踵接地)の足底接地制御=背屈補助/立脚中期の下腿前傾=背屈制限の程度/立脚後期の蹴り出し=MP関節の伸展。「どの相が障害されているか」を先に決めてから装具を修正します。
- プラスチックAFOの足底長は、通常MP関節よりやや遠位までとするのが原則ですが、足趾の伸展を妨げて蹴り出しを阻害する場合は本問のようにMP関節部で切除します。
- Brunnstrom法ステージ下肢Ⅴは分離運動がかなり可能な段階です。装具は「制動を強める」方向ではなく「必要な運動を許す」方向へ修正するのが基本になります。
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