第48回 理学療法士国家試験 午前 第9問
神経内科学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第9問(神経内科学)の正答は 2・5 です。頭部CTでは、画像右側(=患者の左大脳半球)の頭頂〜側頭葉深部に境界明瞭な高吸収域があり、周囲に低吸収の浮腫を伴っています。
問題
65歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。診察時のJCSⅢ-200、血圧210/120 mmHg、脈拍90/分であった。搬送時の頭部CT(別冊No.2)を別に示す。意識を回復した際に認められるのはどれか。2つ選べ。
- 1. 左半側空間無視
- 2. 右上肢麻痺 ✓
- 3. 左下肢失調
- 4. 相貌失認
- 5. 失語症 ✓
正答:2・5番
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解説
■ 正答:2・5番 — 右上肢麻痺/失語症
頭部CTでは、画像右側(=患者の左大脳半球)の頭頂〜側頭葉深部に境界明瞭な高吸収域があり、周囲に低吸収の浮腫を伴っています。血圧210/120 mmHgという値と合わせて左大脳半球の高血圧性脳出血と判断できます。左半球の障害なので反対側の右片麻痺が出現し、右利きでは左半球が言語優位半球のため失語症を生じます。
【各選択肢の解説】
1. 左半側空間無視
❌ 誤り。半側空間無視は右大脳半球(特に右頭頂葉)の障害で左空間に生じることが多い。本例は左半球の出血であり、典型的には出現しない。
❌ 誤り。半側空間無視は右大脳半球(特に右頭頂葉)の障害で左空間に生じることが多い。本例は左半球の出血であり、典型的には出現しない。
2. 右上肢麻痺
✅ 正しい。左半球の錐体路(内包・放線冠)が障害され、対側である右側の片麻痺を生じる。
✅ 正しい。左半球の錐体路(内包・放線冠)が障害され、対側である右側の片麻痺を生じる。
3. 左下肢失調
❌ 誤り。四肢の失調は小脳や脊髄後索の障害でみられる。CTの出血はテント上(大脳)に限局しており、小脳病変はない。
❌ 誤り。四肢の失調は小脳や脊髄後索の障害でみられる。CTの出血はテント上(大脳)に限局しており、小脳病変はない。
4. 相貌失認
❌ 誤り。相貌失認は右または両側の後頭側頭葉(紡錘状回)の障害で生じる。本例の病変部位と一致しない。
❌ 誤り。相貌失認は右または両側の後頭側頭葉(紡錘状回)の障害で生じる。本例の病変部位と一致しない。
5. 失語症
✅ 正しい。右利きの99%以上、左利きでも約70%は左半球が言語優位半球。左半球の広範な出血では失語症をきたす。
✅ 正しい。右利きの99%以上、左利きでも約70%は左半球が言語優位半球。左半球の広範な出血では失語症をきたす。
【試験対策ポイント】
- CTの左右は逆:画像の右側が患者の左半身側。本問のように「右」「左」の表示がある場合は必ず確認する。急性期の出血は白(高吸収)、脳梗塞は発症数時間〜で黒っぽく(低吸収)なる。
- 左半球症状=右片麻痺+失語(+観念運動失行)。右半球症状=左片麻痺+左半側空間無視(+病態失認・着衣失行)。この対比は毎年出題されます。
- JCSⅢ-200は「痛み刺激で少し手足を動かす、顔をしかめる」レベル。Ⅲ桁は刺激しても覚醒しない重度の意識障害で、発症直後の血腫量が多いことを示唆します。
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