第48回 理学療法士国家試験 午前 第11問
神経疾患理学療法第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第11問(神経疾患理学療法)の正答は 5 です。日常生活が自立しているHoehn-Yahr Ⅲ相当の患者で、すくみ足による転倒が頻回に起きています。
問題
60歳の男性。10年前にParkinson病と診断された。日常生活は自立している。すくみ足のため自宅で頻回に転倒するようになった。この患者に対する指導で適切なのはどれか。
- 1. スリッパを履くよう勧める。
- 2. 足関節に重錘バンドを装着する。
- 3. T字杖歩行を指導する。
- 4. 車椅子での移動を指導する。
- 5. 自宅での手すり設置の場所を指導する。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 自宅での手すり設置の場所を指導する。
日常生活が自立しているHoehn-Yahr Ⅲ相当の患者で、すくみ足による転倒が頻回に起きています。この段階では活動性を落とさずに転倒を防ぐことが目標であり、すくみが起こりやすい場所(方向転換部・戸口・トイレ・浴室)を評価して手すりを設置する環境整備が最も適切です。
【各選択肢の解説】
1. スリッパを履くよう勧める。
❌ 誤り。スリッパは脱げやすく、すり足・すくみ足の患者ではつまずきの原因になる。かかとまで覆い足に密着する軽量の靴を勧める。
❌ 誤り。スリッパは脱げやすく、すり足・すくみ足の患者ではつまずきの原因になる。かかとまで覆い足に密着する軽量の靴を勧める。
2. 足関節に重錘バンドを装着する。
❌ 誤り。下肢の重量が増すと振り出しがさらに困難になり、すくみ足を悪化させて転倒リスクを高める。
❌ 誤り。下肢の重量が増すと振り出しがさらに困難になり、すくみ足を悪化させて転倒リスクを高める。
3. T字杖歩行を指導する。
❌ 誤り。すくみ足では杖の操作自体が足の運びと同期せず、杖に足を引っかけて転倒することがある。杖を使うなら視覚的手がかりを与えるL字杖などを検討するが、第一選択にはならない。
❌ 誤り。すくみ足では杖の操作自体が足の運びと同期せず、杖に足を引っかけて転倒することがある。杖を使うなら視覚的手がかりを与えるL字杖などを検討するが、第一選択にはならない。
4. 車椅子での移動を指導する。
❌ 誤り。日常生活が自立している段階で車椅子を導入すると、活動量が低下して廃用と症状進行を招く。
❌ 誤り。日常生活が自立している段階で車椅子を導入すると、活動量が低下して廃用と症状進行を招く。
5. 自宅での手すり設置の場所を指導する。
✅ 正しい。すくみが誘発される場所を把握して手すりを設置することで、動作開始時や方向転換時の転倒を直接防げる。歩行能力を落とさない介入である。
✅ 正しい。すくみが誘発される場所を把握して手すりを設置することで、動作開始時や方向転換時の転倒を直接防げる。歩行能力を落とさない介入である。
【試験対策ポイント】
すくみ足への対処は「視覚・聴覚の手がかり(cue)と環境整備」 が原則です。
- 有効なもの:床に一定間隔の横線テープを貼る、メトロノームや号令でリズムをつくる、「イチ・ニ」の掛け声、最初の一歩を大きく踏み出す、方向転換は大回りにする。
- 悪化させるもの:狭い通路・敷居・段差、急な方向転換、二重課題(歩きながら話す・持つ)、下肢への重錘、脱げやすい履物。
- すくみ足は動作開始時(start hesitation)・方向転換時・狭い場所の通過時・目的地の直前に起こりやすいという特徴も頻出です。
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