第48回 理学療法士国家試験 午前 第13問
神経疾患理学療法第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第13問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、半規管内に迷入した耳石が頭位変換時に内リンパを動かすことで回転性めまいと眼振を生じます。
問題
28歳の女性。生来健康であったが、1週前に急に回転性のめまいが出現した。良性発作性頭位眩暈症と診断され、理学療法が開始された。初回評価時には座位は可能であるが立位の保持は不安定であった。非注視下での眼振を認め、姿勢変換時にめまい感が増悪する。この障害を改善するための理学療法で適切なのはどれか。
- 1. 背臥位での他動的関節可動域運動
- 2. 外力を加えた座位姿勢の保持練習
- 3. 座位での頸部回旋運動による前庭刺激 ✓
- 4. 眼振が出現しない姿勢での基本動作練習
- 5. 杖を用いた歩行練習
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 座位での頸部回旋運動による前庭刺激
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、半規管内に迷入した耳石が頭位変換時に内リンパを動かすことで回転性めまいと眼振を生じます。理学療法は、めまいを誘発する頭位を繰り返しとって前庭系を刺激し、中枢性の代償(慣れ・habituation)を促すことが原則です。座位での頸部回旋による前庭刺激はこの原則にかなっています。
【各選択肢の解説】
1. 背臥位での他動的関節可動域運動
❌ 誤り。関節拘縮の予防にはなるが、前庭系への刺激にならずめまいの改善につながらない。
❌ 誤り。関節拘縮の予防にはなるが、前庭系への刺激にならずめまいの改善につながらない。
2. 外力を加えた座位姿勢の保持練習
❌ 誤り。姿勢反応や体幹機能への介入であり、末梢前庭器の障害そのものには働きかけない。
❌ 誤り。姿勢反応や体幹機能への介入であり、末梢前庭器の障害そのものには働きかけない。
3. 座位での頸部回旋運動による前庭刺激
✅ 正しい。頭位変換を繰り返して前庭刺激を与え、慣れ(habituation)と耳石の移動を促す。Brandt-Daroff法など、めまいを誘発する頭位を反復する運動療法がBPPVの標準的アプローチである。
✅ 正しい。頭位変換を繰り返して前庭刺激を与え、慣れ(habituation)と耳石の移動を促す。Brandt-Daroff法など、めまいを誘発する頭位を反復する運動療法がBPPVの標準的アプローチである。
4. 眼振が出現しない姿勢での基本動作練習
❌ 誤り。症状の出ない肢位だけを選ぶと前庭系への刺激が入らず、中枢代償が進まない。回避はかえって改善を遅らせる。
❌ 誤り。症状の出ない肢位だけを選ぶと前庭系への刺激が入らず、中枢代償が進まない。回避はかえって改善を遅らせる。
5. 杖を用いた歩行練習
❌ 誤り。歩行の安定化には役立つが、症状の原因である前庭系への働きかけがなく、根本的な改善にはつながらない。
❌ 誤り。歩行の安定化には役立つが、症状の原因である前庭系への働きかけがなく、根本的な改善にはつながらない。
【試験対策ポイント】
- BPPVの特徴:特定の頭位で数十秒以内に始まり数十秒で治まる回転性めまい、頭位変換眼振、難聴・耳鳴を伴わない、繰り返すと症状が減弱する(疲労現象)。Dix-Hallpike法で誘発して診断します。
- 治療:耳石置換法(Epley法・Lempert法)と、めまいを誘発する頭位を反復するBrandt-Daroff法などの前庭リハビリテーション。
- 前庭リハビリの3本柱は適応(頭部運動下での固視訓練)・慣れ(誘発肢位の反復)・代償(視覚・体性感覚の活用)。「症状が出るから避ける」ではなく「安全な環境で誘発して慣らす」が国試での正解の方向です。
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