PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第15問

神経疾患理学療法第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第15問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。抱っこの姿勢では下肢が伸展・内転して交差し、足関節は尖足位をとっており、痙直型両麻痺の伸展パターンが強く出ています。

問題
4歳の脳性麻痺児。抱っこでは常に図のような姿勢を示す。 遊びの姿勢で適切でないのはどれか。
第45回午前第15問 図
  1. 1. 図1
  2. 2. 図2
  3. 3. 図3
  4. 4. 図4
  5. 5. 図5

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 図3

抱っこの姿勢では下肢が伸展・内転して交差し、足関節は尖足位をとっており、痙直型両麻痺の伸展パターンが強く出ています。遊びの姿勢では、この伸展・内転・尖足のパターンを助長せず、股関節と膝関節を屈曲させて足底を支持面に接地させることが原則です。図3は椅子座位でありながら膝を伸展方向に投げ出し、足部がどこにも接地していない姿勢で、伸展パターンを強めてしまうため適切ではありません。


【各選択肢の解説】

1. 図1
✅ 適切。膝の下にロールを入れて膝を軽度屈曲させた床上座位で、股・膝屈曲位を保ちながら前方のボールへ手を伸ばしています。伸展パターンを抑えつつ上肢の遊びを引き出せます。
2. 図2
✅ 適切。背臥位で膝の下にロールを置いて股・膝を屈曲位に保ち、頭部も枕で支えたうえで吊り下げたボールへ両手でリーチしています。伸展パターンが出にくい安定した姿勢です。
3. 図3
❌ 適切でない。椅子座位ですが下肢が前方に投げ出されて膝がほぼ伸展し、足底が床にも足台にも接地していません。足部の支持が得られないため骨盤・体幹が不安定になり、下肢の伸展・内転パターンを助長します。
4. 図4
✅ 適切。前方のテーブルに上肢を乗せ、後方をクッションで支えた立位で遊んでおり、足底を接地させた荷重位で抗重力活動と足関節背屈を促せます。
5. 図5
✅ 適切。背もたれと骨盤ベルトのある椅子に座り、足台に足底を接地させて股関節・膝関節・足関節をおおむね90°に保っています。体幹が安定し、上肢を遊びに使える理想的な座位です。

【試験対策ポイント】

痙直型脳性麻痺の姿勢設定では、異常な筋緊張パターンと逆方向のアライメントをつくるのが原則です。

強く出るパターンとるべき姿勢
痙直型両麻痺・四肢麻痺下肢の伸展・内転・内旋・尖足股・膝屈曲、股外転、足底接地
痙直型片麻痺上肢屈曲・下肢伸展患側の肩甲帯前方突出・肘伸展
アテトーゼ型不随意運動・非対称正中位指向、支持面を広く安定させる

座位保持装置の基本は股関節・膝関節・足関節をそれぞれ90°に保つ「90度ルール」で、足底の接地・骨盤ベルト(腸骨稜の下を斜めに)・体幹の側方支持が三本柱です。足底が浮くと骨盤が後傾して体幹が崩れ、上肢の操作性も低下します。

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