PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第18問

神経疾患理学療法第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第18問(神経疾患理学療法)の正答は 2・3 です。Brunnstrom法ステージが上肢・手指・下肢ともにⅢ(共同運動が出現する段階)で、金属支柱付き短下肢装具とT字杖で院内歩行が自立しているレベルです。

問題
70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。金属支柱付き短下肢装具とT字杖とで病院内歩行が自立した。退院に向けたADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 屋内では短下肢装具を使用しない。
  2. 2. 浴槽への出入りは座位移動で行う。
  3. 3. 自宅トイレに手すりを設置する。
  4. 4. ズボンは立位のまま着脱する。
  5. 5. 洗顔は立位で行う。

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 浴槽への出入りは座位移動で行う/自宅トイレに手すりを設置する。

Brunnstrom法ステージが上肢・手指・下肢ともにⅢ(共同運動が出現する段階)で、金属支柱付き短下肢装具とT字杖で院内歩行が自立しているレベルです。分離運動が不十分で片脚立位のバランスも不安定なため、立位で行う動作は座位に置き換え、必要な場所には手すりを設置するのが退院指導の基本になります。


【各選択肢の解説】

1. 屋内では短下肢装具を使用しない。
❌ 誤り。下肢ステージⅢでは足関節の分離した背屈が困難で、装具なしでは内反尖足が生じて転倒しやすい。屋内でも装具は継続して使用する。
2. 浴槽への出入りは座位移動で行う。
✅ 正しい。浴槽のまたぎ動作は片脚立位となり、濡れた床では最も転倒の危険が高い。バスボードやシャワーチェアを用いて座位のまま移動する方法が安全。
3. 自宅トイレに手すりを設置する。
✅ 正しい。立ち上がり・方向転換・下衣の上げ下げなど不安定な動作が集中する場所であり、手すりの設置は転倒予防と動作自立の両方に有効。
4. ズボンは立位のまま着脱する。
❌ 誤り。立位での下衣着脱は片脚立位とバランス変化を伴う。座位で麻痺側から通し、健側から脱ぐ(着患脱健)方法を指導する。
5. 洗顔は立位で行う。
❌ 誤り。前傾姿勢と閉眼が重なりバランスを崩しやすい。椅子座位で行うよう指導する。

【試験対策ポイント】

  • 着患脱健(着るときは麻痺側から、脱ぐときは健側から)は更衣指導の原則。片麻痺の更衣は原則として座位で行います。
  • 浴室の環境整備:シャワーチェア、バスボード、浴槽内すのこ、L字手すり(縦手すりは立ち上がり用、横手すりは移動用)、滑り止めマット。
  • Brunnstrom法ステージⅢは「随意的に共同運動が出現するが分離運動は困難」な段階。この段階の患者に「装具を外す」「立位で複雑な動作を行う」という選択肢は基本的に誤りになります。
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