PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第30問

整形外科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第30問(整形外科学)の正答は 2・4 です。神経は骨に密着して走行する部位で損傷を受けます。

問題
外傷と合併しやすい神経障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 肩関節前方脱臼 ― 肩甲上神経麻痺
  2. 2. 上腕骨骨幹部骨折 ― 橈骨神経麻痺
  3. 3. 橈骨遠位端骨折 ― 尺骨神経麻痺
  4. 4. 股関節後方脱臼 ― 坐骨神経麻痺
  5. 5. 脛骨骨折 ― 脛骨神経麻痺

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — 上腕骨骨幹部骨折 ― 橈骨神経麻痺/股関節後方脱臼 ― 坐骨神経麻痺

神経は骨に密着して走行する部位で損傷を受けます。橈骨神経は上腕骨骨幹部の橈骨神経溝を、坐骨神経は股関節の後方を走るため、それぞれ上腕骨骨幹部骨折・股関節後方脱臼で高率に麻痺を合併します。


【各選択肢の解説】

1. 肩関節前方脱臼 ― 肩甲上神経麻痺
❌ 誤り。肩関節前方脱臼で合併しやすいのは腋窩神経麻痺です。三角筋の筋力低下と肩外側の感覚障害が生じます。
2. 上腕骨骨幹部骨折 ― 橈骨神経麻痺
✅ 正しい。橈骨神経は上腕骨中央部の後面(橈骨神経溝)を螺旋状に走るため直接損傷されやすく、下垂手を呈します。
3. 橈骨遠位端骨折 ― 尺骨神経麻痺
❌ 誤り。橈骨遠位端骨折(Colles骨折)で合併しやすいのは正中神経麻痺です。手根管内圧の上昇によるものが典型です。
4. 股関節後方脱臼 ― 坐骨神経麻痺
✅ 正しい。ダッシュボード損傷で股関節が屈曲・内転位のまま後方へ脱臼すると、後方を走る坐骨神経(特に総腓骨神経成分)が牽引・圧迫され下垂足を生じます。
5. 脛骨骨折 ― 脛骨神経麻痺
❌ 誤り。下腿で問題になるのは腓骨頭・腓骨頸部骨折による総腓骨神経麻痺です。脛骨骨折では腓骨神経麻痺やコンパートメント症候群に注意します。

【試験対策ポイント】

外傷と合併神経麻痺の定番の組合せは丸暗記が有効です。

外傷合併しやすい神経麻痺主症状
肩関節前方脱臼・上腕骨外科頸骨折腋窩神経三角筋麻痺・肩外側の感覚障害
上腕骨骨幹部骨折橈骨神経下垂手・手背橈側の感覚障害
上腕骨顆上骨折(小児)正中神経(前骨間神経)涙のしずくサイン
肘部の外反変形・肘内側尺骨神経鷲手・環小指の感覚障害
橈骨遠位端骨折正中神経母指球萎縮・猿手
股関節後方脱臼坐骨神経下垂足・下腿外側〜足背の感覚障害
腓骨頭骨折・ギプス圧迫総腓骨神経下垂足・鶏歩

骨が神経を巻き込む場所」をイメージすると、暗記でなく理解として定着します。

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