第48回 理学療法士国家試験 午前 第31問
整形外科疾患理学療法第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第31問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。「適切でないもの」を選ぶ否定形の設問です。
問題
熱傷の部位と起こりやすい拘縮を予防する肢位の組合せで適切でないのはどれか。
- 1. 前頸部 ― 頸椎伸展
- 2. 前胸部 ― 肩関節外転
- 3. 肘窩部 ― 前腕回内 ✓
- 4. 膝窩部 ― 膝関節伸展
- 5. 下腿後面 ― 足関節背屈
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 肘窩部 ― 前腕回内
「適切でないもの」を選ぶ否定形の設問です。熱傷後の拘縮は瘢痕が縮む方向に起こるため、予防肢位はその逆方向にとります。肘窩部(肘の前面)の熱傷では肘屈曲・前腕回内方向へ拘縮するので、予防肢位は肘伸展・前腕回外です。「前腕回内」は拘縮を助長する誤った肢位です。
【各選択肢の解説】
1. 前頸部 ― 頸椎伸展
✅ 適切。前頸部の熱傷は頸部屈曲拘縮(下顎が胸につく変形)を招くため、枕を外して頸部を伸展位に保ちます。
✅ 適切。前頸部の熱傷は頸部屈曲拘縮(下顎が胸につく変形)を招くため、枕を外して頸部を伸展位に保ちます。
2. 前胸部 ― 肩関節外転
✅ 適切。前胸部・腋窩の熱傷は肩の内転・内旋拘縮を生じるため、肩を80〜90°外転位に保持します。
✅ 適切。前胸部・腋窩の熱傷は肩の内転・内旋拘縮を生じるため、肩を80〜90°外転位に保持します。
3. 肘窩部 ― 前腕回内
❌ 適切でない。肘窩の瘢痕は屈曲・回内方向に拘縮するため、予防肢位は肘伸展位+前腕回外位です。回内位で固定すると拘縮を強めます。
❌ 適切でない。肘窩の瘢痕は屈曲・回内方向に拘縮するため、予防肢位は肘伸展位+前腕回外位です。回内位で固定すると拘縮を強めます。
4. 膝窩部 ― 膝関節伸展
✅ 適切。膝窩部の熱傷は膝屈曲拘縮を招くため、膝伸展位を保持します。
✅ 適切。膝窩部の熱傷は膝屈曲拘縮を招くため、膝伸展位を保持します。
5. 下腿後面 ― 足関節背屈
✅ 適切。下腿後面(アキレス腱側)の瘢痕は尖足(底屈拘縮)を作るため、足関節0°〜背屈位で保持します。
✅ 適切。下腿後面(アキレス腱側)の瘢痕は尖足(底屈拘縮)を作るため、足関節0°〜背屈位で保持します。
【試験対策ポイント】
熱傷のポジショニングの原則は「受傷面を伸ばす方向に置く」の一言に尽きます。楽な姿勢(屈曲・内転位)=拘縮肢位なので、あえて反対の肢位をとらせます。
| 熱傷部位 | 起こる拘縮 | 良肢位(予防肢位) |
|---|---|---|
| 前頸部 | 頸部屈曲 | 頸部軽度伸展(枕を使わない) |
| 腋窩・前胸部 | 肩内転・内旋 | 肩外転80〜90°・軽度水平屈曲 |
| 肘窩 | 肘屈曲・前腕回内 | 肘伸展・前腕回外 |
| 手背 | MP伸展・PIP屈曲(鷲手変形) | MP屈曲70〜90°・IP伸展・母指外転(intrinsic plus位) |
| 股関節前面 | 股屈曲 | 股伸展・軽度外転 |
| 膝窩 | 膝屈曲 | 膝伸展 |
| 下腿後面・足底 | 尖足 | 足関節背屈0° |
熱傷面積の推定(9の法則:頭9%・上肢各9%・体幹前後各18%・下肢各18%・陰部1%)と深達度(Ⅰ度=発赤、浅達性Ⅱ度=水疱で有痛、深達性Ⅱ度=知覚鈍麻で瘢痕化、Ⅲ度=白色・無痛)も併せて頻出です。
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