PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第35問

神経内科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第35問(神経内科学)の正答は 4 です。脊髄損傷に伴う異所性骨化は、麻痺域の大関節周囲、とくに股関節に最も多く発生します。

問題
脊髄損傷患者で異所性骨化の好発部位はどれか。
  1. 1. 肘関節
  2. 2. 手関節
  3. 3. 手指MP関節
  4. 4. 股関節
  5. 5. 足関節

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 股関節

脊髄損傷に伴う異所性骨化は、麻痺域の大関節周囲、とくに股関節に最も多く発生します。次いで膝関節、肩関節、肘関節の順です。発生時期は受傷後1〜4か月がピークで、関節可動域制限の原因となります。


【各選択肢の解説】

1. 肘関節
❌ 誤り。異所性骨化の好発部位ではありますが、脊髄損傷では発生頻度が低い部位です。肘周囲の異所性骨化は頭部外傷や熱傷、肘関節脱臼骨折後に多くみられます。
2. 手関節
❌ 誤り。手関節周囲は異所性骨化の好発部位ではありません。
3. 手指MP関節
❌ 誤り。小関節は異所性骨化の好発部位ではありません。手指の可動域制限は主に浮腫や不動による関節拘縮が原因となります。
4. 股関節
✅ 正しい。脊髄損傷における異所性骨化の最好発部位です。股関節屈曲制限が進むと座位保持が困難となり、車椅子ADLに直接影響します。
5. 足関節
❌ 誤り。足関節は好発部位ではありません。麻痺域の足部で問題になるのは尖足拘縮や褥瘡です。

【試験対策ポイント】

異所性骨化(heterotopic ossification)の要点。

  • 発生部位:麻痺レベルより下位の大関節周囲。脊髄損傷では股関節>膝>肩>肘
  • 好発時期:受傷後1〜4か月(急性期を過ぎた時期)。
  • 初期症状:関節周囲の発赤・熱感・腫脹・可動域制限。深部静脈血栓症(DVT)や蜂窩織炎との鑑別が必要です。
  • 検査:血清アルカリホスファターゼ(ALP)上昇が早期指標。X線での骨化陰影出現は数週間遅れます。
  • 理学療法:急性炎症期に強い他動運動やストレッチを加えると骨化を助長するため、過度な伸張は禁忌。愛護的な可動域運動にとどめます。
脊髄損傷の他の合併症(自律神経過反射=T6以上で膀胱直腸の充満により高血圧・頭痛、起立性低血圧褥瘡深部静脈血栓症)と併せて整理しておきましょう。

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