第48回 理学療法士国家試験 午前 第69問
運動学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第69問(運動学)の正答は 2 です。力のモーメント(トルク)は「力の大きさ × モーメントアーム(回転中心から作用線への垂線の長さ)」で求めます。
問題
同一平面内に働く力ベクトルF₁とF₂が同じ平面上の点Oの回りに作るモーメントMを表す式はどれか。
ただし、OからベクトルF₁とF₂の作用線に下ろした垂線の長さをそれぞれa、bとする。
- 1. M = F₁ + F₂
- 2. M = aF₁ + bF₂ ✓
- 3. M =(aF₁ + bF₂)/ 2
- 4. M =(F₁ + F₂)/(a + b)
- 5. M =(F₁ + F₂)(a + b)
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — M = aF₁ + bF₂
力のモーメント(トルク)は「力の大きさ × モーメントアーム(回転中心から作用線への垂線の長さ)」で求めます。同一平面上で点Oまわりに作用する複数の力によるモーメントは、それぞれのモーメントの和になるため、M = aF₁ + bF₂ となります。
【各選択肢の解説】
1. M = F₁ + F₂
❌ 誤り。力を足しただけではモーメントになりません。距離(モーメントアーム)を掛けていないため単位も合わず、これは合力の大きさに相当します。
❌ 誤り。力を足しただけではモーメントになりません。距離(モーメントアーム)を掛けていないため単位も合わず、これは合力の大きさに相当します。
2. M = aF₁ + bF₂
✅ 正しい。F₁のモーメントは aF₁、F₂のモーメントは bF₂ で、これらの和が点Oまわりの合成モーメントになります。
✅ 正しい。F₁のモーメントは aF₁、F₂のモーメントは bF₂ で、これらの和が点Oまわりの合成モーメントになります。
3. M =(aF₁ + bF₂)/ 2
❌ 誤り。モーメントの和を2で割る根拠はありません。平均を取る操作は物理的意味をもちません。
❌ 誤り。モーメントの和を2で割る根拠はありません。平均を取る操作は物理的意味をもちません。
4. M =(F₁ + F₂)/(a + b)
❌ 誤り。モーメントは距離で「割る」のではなく「掛ける」量です。距離が長いほどモーメントは大きくなります。
❌ 誤り。モーメントは距離で「割る」のではなく「掛ける」量です。距離が長いほどモーメントは大きくなります。
5. M =(F₁ + F₂)(a + b)
❌ 誤り。展開すると aF₁ + aF₂ + bF₁ + bF₂ となり、対応しないアームと力の積(aF₂・bF₁)が余分に加わってしまいます。
❌ 誤り。展開すると aF₁ + aF₂ + bF₁ + bF₂ となり、対応しないアームと力の積(aF₂・bF₁)が余分に加わってしまいます。
【試験対策ポイント】
・モーメント M = F × d(単位はN・m)。dは回転軸から力の作用線に下ろした垂線の長さであって、軸から作用点までの距離ではない点に注意。斜めに力が働く場合は d = 距離 × sinθ となる。
・てこの原理:支点まわりのモーメントが釣り合う(F₁a = F₂b)。第1のてこ=支点が中央(環椎後頭関節での頭部保持)、第2のてこ=荷重点が中央(つま先立ち)、第3のてこ=力点が中央(肘屈曲、身体で最も多い)。
・臨床応用:杖を健側に持つ、荷物を体幹に近づけて持つ、といった指導はいずれもモーメントアームを短くして関節への負荷を減らすという同じ原理で説明できる。
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