PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第71問

運動学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第71問(運動学)の正答は 4 です。頭上(万歳位)から肩の高さまでバーベルを下ろす動作では、肩甲骨は上方回旋位から下方回旋へ戻っていきます。

問題
立位姿勢で、頭上からバーベルを肩まで下ろす時に遠心性収縮となる筋はどれか。
  1. 1. 上腕二頭筋
  2. 2. 腕橈骨筋
  3. 3. 大菱形筋
  4. 4. 前鋸筋
  5. 5. 広背筋

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 前鋸筋

頭上(万歳位)から肩の高さまでバーベルを下ろす動作では、肩甲骨は上方回旋位から下方回旋へ戻っていきます。この動きは重力に従う方向なので、上方回旋筋である前鋸筋がブレーキとして遠心性収縮し、速度をコントロールします。


【各選択肢の解説】

1. 上腕二頭筋
❌ 誤り。バーベルを下ろす過程で肘は伸展位から屈曲していきますが、これは重力方向の動きなので、制御するのは肘伸筋である上腕三頭筋の遠心性収縮です。肘屈筋である上腕二頭筋は主動作筋にも遠心性収縮にもあたりません。
2. 腕橈骨筋
❌ 誤り。腕橈骨筋も肘屈筋なので、上腕二頭筋と同様に、この動作では遠心性に働く筋にはあたりません。
3. 大菱形筋
❌ 誤り。大菱形筋は肩甲骨の内転・挙上・下方回旋筋です。下ろす動作は下方回旋そのものなので、大菱形筋は短縮しながら働く(求心性)側になります。
4. 前鋸筋
✅ 正しい。前鋸筋は肩甲骨の外転(前方突出)と上方回旋を行う筋です。上方回旋位から戻る過程では、伸張されながら張力を発揮する遠心性収縮でスピードを制御します。
5. 広背筋
❌ 誤り。広背筋は肩関節の伸展・内転・内旋筋で、挙上位から下ろす動作の主動作筋として求心性収縮します。

【試験対策ポイント】

遠心性収縮の見つけ方:①動きの方向を決める(何が重力方向か)→②その動きと反対向きに働く筋(=ブレーキ役)を探す。「重力方向に動く局面では、その動きの拮抗筋が遠心性に働く」と機械的に処理できる。
肩甲骨上方回旋筋=僧帽筋上部・下部+前鋸筋(フォースカップル)/下方回旋筋=菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋。前鋸筋麻痺(長胸神経)で上肢挙上が制限され翼状肩甲を呈するのはこのため。
・遠心性収縮は同じ筋でも求心性より大きな張力を発揮でき、エネルギー効率が高い一方、遅発性筋痛(DOMS)を起こしやすい。階段を下りる(大腿四頭筋の遠心性)で翌日に筋痛が出るのが典型例。

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