PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第76問

神経内科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第76問(神経内科学)の正答は 4 です。重症筋無力症(MG)は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体によって起こる疾患で、その自己抗体の産生に胸腺が深く関与しています。

問題
重症筋無力症を合併することが多いのはどれか。
  1. 1. 肺癌
  2. 2. 乳癌
  3. 3. 中皮腫
  4. 4. 胸腺腫
  5. 5. 食道癌

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 胸腺腫

重症筋無力症(MG)は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体によって起こる疾患で、その自己抗体の産生に胸腺が深く関与しています。MG患者の約15〜20%に胸腺腫が合併し、逆に胸腺腫患者の約30%にMGがみられます。治療として胸腺摘除術が選択されるのもこの関係によります。


【各選択肢の解説】

1. 肺癌
❌ 誤り。肺癌(特に小細胞肺癌)に合併する代表的な神経筋症状はLambert-Eaton筋無力症候群であり、重症筋無力症ではありません。
2. 乳癌
❌ 誤り。乳癌に特徴的に合併する神経筋接合部疾患はありません。
3. 中皮腫
❌ 誤り。アスベスト曝露を背景とする胸膜腫瘍で、重症筋無力症との関連は知られていません。
4. 胸腺腫
✅ 正しい。胸腺は自己反応性リンパ球の増殖の場となり、抗アセチルコリン受容体抗体の産生に関与します。胸腺腫合併例では胸腺摘除術の適応となります。
5. 食道癌
❌ 誤り。嚥下障害は共通しますが、重症筋無力症との合併関係はありません。

【試験対策ポイント】

腫瘍に伴う神経筋疾患は「どちらの腫瘍か」で必ず出題されます。

腫瘍合併する神経筋疾患反復刺激(連続刺激)の所見
胸腺腫重症筋無力症低頻度刺激で振幅の漸減(waning)
小細胞肺癌Lambert-Eaton筋無力症候群高頻度刺激で振幅の漸増(waxing)

MG=シナプス後膜(受容体)の障害・胸腺腫・朝より夕方に悪化LEMS=シナプス前膜(Ca²⁺チャネル)の障害・小細胞肺癌・運動後に一時的に筋力が改善、とセットで覚えると混同しません。

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