第48回 理学療法士国家試験 午前 第89問
神経内科学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第89問(神経内科学)の正答は 1・5 です。多発性硬化症(MS)は中枢神経の白質に脱髄病巣が時間的・空間的に多発する疾患で、病巣が後索や脊髄視床路に及べばしびれ・異常感覚・深部感覚障害などの感覚障害が生じます。
問題
感覚障害を合併するのはどれか。2つ選べ。
- 1. 多発性硬化症 ✓
- 2. 重症筋無力症
- 3. 筋萎縮性側索硬化症
- 4. 肢帯型筋ジストロフィー
- 5. 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー ✓
正答:1・5番
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解説
■ 正答:1・5番 — 多発性硬化症/慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー
多発性硬化症(MS)は中枢神経の白質に脱髄病巣が時間的・空間的に多発する疾患で、病巣が後索や脊髄視床路に及べばしびれ・異常感覚・深部感覚障害などの感覚障害が生じます。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)は末梢神経の運動線維と感覚線維の両方が脱髄されるため、四肢遠位の感覚障害を高率に伴います。
【各選択肢の解説】
1. 多発性硬化症
✅ 正しい。視神経炎による視力障害に加え、感覚障害・運動麻痺・小脳失調・膀胱直腸障害など多彩な症状を呈します。
✅ 正しい。視神経炎による視力障害に加え、感覚障害・運動麻痺・小脳失調・膀胱直腸障害など多彩な症状を呈します。
2. 重症筋無力症
❌ 誤り。障害部位は神経筋接合部であり、易疲労性を伴う筋力低下のみで、感覚障害は生じません。
❌ 誤り。障害部位は神経筋接合部であり、易疲労性を伴う筋力低下のみで、感覚障害は生じません。
3. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。上位・下位運動ニューロンのみが障害されます。感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡は「ALSの四大陰性徴候」として原則みられません。
❌ 誤り。上位・下位運動ニューロンのみが障害されます。感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡は「ALSの四大陰性徴候」として原則みられません。
4. 肢帯型筋ジストロフィー
❌ 誤り。骨格筋そのものの変性疾患で、肩甲帯・骨盤帯の近位筋力低下が主体です。神経は障害されないため感覚は保たれます。
❌ 誤り。骨格筋そのものの変性疾患で、肩甲帯・骨盤帯の近位筋力低下が主体です。神経は障害されないため感覚は保たれます。
5. 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー
✅ 正しい。運動・感覚の両線維が障害され、2か月以上かけて進行または再発寛解する経過をとります。ステロイドやIVIgが有効な点がGuillain-Barré症候群との違いです。
✅ 正しい。運動・感覚の両線維が障害され、2か月以上かけて進行または再発寛解する経過をとります。ステロイドやIVIgが有効な点がGuillain-Barré症候群との違いです。
【試験対策ポイント】
障害部位から感覚障害の有無を導くのが最短ルートです。
| 障害部位 | 代表疾患 | 感覚障害 |
|---|---|---|
| 中枢神経(白質) | 多発性硬化症 | あり |
| 末梢神経(運動+感覚) | CIDP・Guillain-Barré症候群・糖尿病性神経障害 | あり |
| 運動ニューロンのみ | 筋萎縮性側索硬化症・脊髄性筋萎縮症 | なし |
| 神経筋接合部 | 重症筋無力症・Lambert-Eaton症候群 | なし |
| 筋 | 筋ジストロフィー・多発筋炎 | なし |
「ALSの四大陰性徴候(眼球運動障害・膀胱直腸障害・感覚障害・褥瘡)」は繰り返し問われます。また多発性硬化症では体温上昇で症状が一時的に悪化するUhthoff現象があるため、運動療法は室温・運動強度を管理し、過度な発汗や高温環境を避けることが必須です。
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