第48回 理学療法士国家試験 午前 第90問
神経内科学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第90問(神経内科学)の正答は 3・5 です。重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体が自己抗体で障害される疾患です。
問題
重症筋無力症について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. 筋電図検査において末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる。
- 2. 抗アセチルコリン受容体抗体陽性率は10%である。
- 3. 症状の日内変動がある。 ✓
- 4. 嚥下障害の合併はない。
- 5. 眼瞼下垂がみられる。 ✓
正答:3・5番
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解説
■ 正答:3・5番 — 症状の日内変動がある/眼瞼下垂がみられる
重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体が自己抗体で障害される疾患です。使い続けると伝達効率が落ちるため、朝は比較的軽く夕方に増悪する日内変動を示し、初発症状として眼瞼下垂・複視といった眼症状が最も多くみられます(約7〜8割)。
【各選択肢の解説】
1. 筋電図検査において末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる。
❌ 誤り。重症筋無力症では低頻度反復刺激で複合筋活動電位の振幅が漸減(waning)します。振幅の漸増(waxing)はLambert-Eaton筋無力症候群の所見です。
❌ 誤り。重症筋無力症では低頻度反復刺激で複合筋活動電位の振幅が漸減(waning)します。振幅の漸増(waxing)はLambert-Eaton筋無力症候群の所見です。
2. 抗アセチルコリン受容体抗体陽性率は10%である。
❌ 誤り。全身型では約80〜85%が陽性です。陰性例では抗MuSK抗体が検出されることがあります。
❌ 誤り。全身型では約80〜85%が陽性です。陰性例では抗MuSK抗体が検出されることがあります。
3. 症状の日内変動がある。
✅ 正しい。朝は軽く、夕方や反復動作の後に増悪します(易疲労性)。
✅ 正しい。朝は軽く、夕方や反復動作の後に増悪します(易疲労性)。
4. 嚥下障害の合併はない。
❌ 誤り。球症状として嚥下障害・構音障害・咀嚼困難を合併します。呼吸筋にまで及ぶと筋無力症クリーゼとなり、人工呼吸管理が必要になります。
❌ 誤り。球症状として嚥下障害・構音障害・咀嚼困難を合併します。呼吸筋にまで及ぶと筋無力症クリーゼとなり、人工呼吸管理が必要になります。
5. 眼瞼下垂がみられる。
✅ 正しい。眼瞼下垂と複視は最も頻度の高い初発症状です。
✅ 正しい。眼瞼下垂と複視は最も頻度の高い初発症状です。
【試験対策ポイント】
診断に使われる検査を整理します。
・テンシロン(エドロホニウム)試験:コリンエステラーゼ阻害薬で症状が一時的に改善すれば陽性
・反復刺激試験(Harvey-Masland試験):低頻度刺激でwaning
・抗AChR抗体・抗MuSK抗体
・アイスパック試験:冷却で眼瞼下垂が改善
・胸部CT:胸腺腫・胸腺過形成の有無を確認
理学療法では過用性筋力低下(overwork weakness)が最大の注意点です。易疲労性が本態であるため、高負荷・長時間の訓練は避け、低負荷・短時間・頻回、こまめな休息を原則とし、症状の軽い午前中に実施するのが望ましいとされます。感染・過労・ストレス・一部の薬剤(アミノグリコシド系抗菌薬など)はクリーゼの誘因になります。
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