PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第88問

整形外科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第88問(整形外科学)の正答は 4 です。変形性膝関節症に対する運動療法、特に大腿四頭筋を中心とした膝周囲筋の筋力強化は、疼痛軽減と身体機能改善に対して確立されたエビデンスがあり、各種診療ガイドラインで強く推奨されています。

問題
変形性膝関節症で正しいのはどれか。
  1. 1. 外側型が多い。
  2. 2. 歩き始めは痛くない。
  3. 3. 女性よりも男性に多い。
  4. 4. 膝周囲筋の筋力強化は症状を改善させる。
  5. 5. 内側型には内側が高い楔状足底板が用いられる。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 膝周囲筋の筋力強化は症状を改善させる。

変形性膝関節症に対する運動療法、特に大腿四頭筋を中心とした膝周囲筋の筋力強化は、疼痛軽減と身体機能改善に対して確立されたエビデンスがあり、各種診療ガイドラインで強く推奨されています。筋力向上により膝関節の動的安定性が高まり、関節への衝撃が緩衝されるためです。


【各選択肢の解説】

1. 外側型が多い。
❌ 誤り。日本人では内側型(内反変形を伴う)が圧倒的に多く、全体の9割程度を占めます。正座など床上生活の習慣や内反傾向が背景にあります。
2. 歩き始めは痛くない。
❌ 誤り。初期の典型症状は動作開始時痛(始動時痛)で、「歩き始めが痛く、動いているうちに軽くなる」と訴えるのが特徴です。進行すると持続痛や安静時痛に移行します。
3. 女性よりも男性に多い。
❌ 誤り。女性に多く、男女比はおよそ1対4とされます。閉経後のホルモン変化、筋力、肥満などが関与します。
4. 膝周囲筋の筋力強化は症状を改善させる。
✅ 正しい。大腿四頭筋訓練は疼痛軽減とADL改善に有効で、保存療法の第一選択です。
5. 内側型には内側が高い楔状足底板が用いられる。
❌ 誤り。内側型(内反膝)には外側を高くした外側楔状足底板を用います。踵部を外反させて下肢のアライメントを補正し、膝内反モーメント(内側コンパートメントへの荷重)を減らすのが目的です。

【試験対策ポイント】

内側型には外側楔状足底板——ここは逆に覚えている受験生が非常に多い最頻出の引っかけです。「潰れている側の反対を持ち上げて荷重を逃がす」と理解すると間違えません。

X線所見(立位撮影が原則)では、関節裂隙の狭小化・骨棘形成・軟骨下骨の硬化・骨嚢胞の4つが基本所見で、重症度はKellgren-Lawrence分類(Grade0〜IV)で評価します。

理学療法のポイント
・大腿四頭筋の等尺性訓練(膝伸展位でのセッティング)から開始し、疼痛に応じてSLR・CKC訓練へ
・体重コントロール(減量1kgで膝への負荷は数kg減る)
・杖は患側の反対側(健側)に持たせて患側への荷重を軽減
・和式生活(正座・低い椅子・和式トイレ)から洋式生活への環境調整
・温熱療法は疼痛緩和と可動域改善に有用(急性増悪期は寒冷)

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