PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第92問

内科学・臨床医学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第92問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。大動脈弁狭窄症(AS)は左室からの駆出が狭窄弁で制限されるため、運動時に必要な心拍出量を増やせません。

問題
運動中に突然死するリスクが高い病態はどれか。
  1. 1. 肺動脈弁閉鎖不全症
  2. 2. 心房中隔欠損症
  3. 3. 大動脈弁狭窄症
  4. 4. 慢性心膜炎
  5. 5. 肺線維症

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症(AS)は左室からの駆出が狭窄弁で制限されるため、運動時に必要な心拍出量を増やせません。その結果、労作時失神・狭心痛・心不全(AS三徴)を来し、心筋虚血から心室頻拍・心室細動などの致死性不整脈を生じて運動中の突然死につながります。スポーツ関連の突然死の原因として最も注意すべき弁膜症です。


【各選択肢の解説】

1. 肺動脈弁閉鎖不全症
❌ 誤り。多くは軽度で無症状のまま経過し、単独では血行動態への影響が小さく、突然死のリスクは高くありません。
2. 心房中隔欠損症
❌ 誤り。左右短絡による肺血流増加は起こりますが、進行は緩徐で成人期まで無症状のことも多く、運動中の突然死に直結する病態ではありません。
3. 大動脈弁狭窄症
✅ 正しい。心拍出量を増やせず脳虚血・心筋虚血・致死性不整脈を来すため、重症例では激しい運動が禁忌となります。
4. 慢性心膜炎
❌ 誤り。収縮性心膜炎では拡張障害による右心不全症状(浮腫・腹水・頸静脈怒張)が主体で、突然死のリスクは高くありません。
5. 肺線維症
❌ 誤り。労作時低酸素血症による運動制限は強いものの、突然死のリスクが特に高い病態ではありません。

【試験対策ポイント】

運動中の突然死のリスクが高い病態として、大動脈弁狭窄症とともに肥大型心筋症(特に閉塞性HOCM)、Brugada症候群やQT延長症候群などの不整脈原性疾患、重症冠動脈疾患を覚えておきます。

大動脈弁狭窄症の要点
・原因:加齢に伴う石灰化(高齢者で最多)、二尖弁、リウマチ性
・聴診:収縮期駆出性雑音(第2肋間胸骨右縁、頸部へ放散)
・症状出現後の予後は不良(狭心痛5年、失神3年、心不全2年が目安)とされ、症状が出れば弁置換術(AVR・TAVI)の適応
・理学療法では労作時の失神・胸痛・血圧低下を厳重に監視し、重症例では過度な等尺性運動・Valsalva手技を避ける

運動負荷試験の絶対禁忌(急性心筋梗塞早期、不安定狭心症、コントロール不良の不整脈、症候性の重症大動脈弁狭窄症、急性心不全、急性肺塞栓など)も併せて確認しておきましょう。

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