PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第3問

理学療法評価学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第3問(理学療法評価学)の正答は 1 です。腹臥位・股関節伸展位での膝屈曲が自動20°に対して他動95°と、自動可動域が他動可動域より75°も小さくなっています。

問題
関節可動域の測定結果を表に示す。この結果から判定できるのはどれか。
第48回午後第3問 図
  1. 1. 右ハムストリングスに筋力低下がある。
  2. 2. 右ハムストリングスに収縮時痛がある。
  3. 3. 筋以外の関節軟部組織の疼痛はない。
  4. 4. 右大腿直筋の伸張痛はない。
  5. 5. 右大腿直筋の短縮はない。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 右ハムストリングスに筋力低下がある。

腹臥位・股関節伸展位での膝屈曲が自動20°に対して他動95°と、自動可動域が他動可動域より75°も小さくなっています。関節そのものは他動的に95°まで曲がるのに自分では20°しか曲げられないということは、膝を屈曲させる筋=ハムストリングスの出力不足を意味します。


【各選択肢の解説】

1. 右ハムストリングスに筋力低下がある。
✅ 正しい。腹臥位・股伸展位で自動20°/他動95°という大きな乖離があります。他動では動くのに自動では動かないのは筋の出力不足であり、膝屈筋であるハムストリングスの筋力低下が判定できます。
2. 右ハムストリングスに収縮時痛がある。
❌ 誤り。ハムストリングスが収縮する腹臥位の自動運動(20°)には疼痛の記載(P)がありません。疼痛は他動運動でも同じ角度で出ており、収縮そのものによる痛みとは判定できません。
3. 筋以外の関節軟部組織の疼痛はない。
❌ 誤り。筋が収縮していない他動運動で95°・110°ともに疼痛が出現しています。関節包・靱帯など筋以外の軟部組織由来の疼痛の存在が示唆され、「ない」とは言えません。
4. 右大腿直筋の伸張痛はない。
❌ 誤り。大腿直筋が最も伸張される腹臥位・股伸展位では95°で疼痛が出現し、大腿直筋が緩む背臥位・股屈曲位(110°)より小さい角度で痛みが出ています。大腿直筋の伸張が疼痛に関与している可能性が高く、「ない」とは言えません。
5. 右大腿直筋の短縮はない。
❌ 誤り。股伸展位(95°)のほうが股屈曲位(110°)より膝屈曲可動域が小さくなっています。二関節筋である大腿直筋が伸張される肢位でのみ可動域が制限されており、大腿直筋の短縮を示唆する所見です。

【試験対策ポイント】

自動ROMと他動ROMの差、肢位を変えたときのROMの差の読み方は頻出です。自動ROM<他動ROMなら筋力低下・随意性低下・疼痛回避、自動ROM=他動ROMで制限なら関節構成体や軟部組織の器質的制限を疑います。そして二関節筋が伸張される肢位でだけROMが小さくなるなら、その二関節筋の短縮です。

  • 大腿直筋(股屈曲+膝伸展):股伸展位(腹臥位)で膝を曲げると最も伸張される(Elyテスト)
  • ハムストリングス(股伸展+膝屈曲):股屈曲位で膝を伸ばすと最も伸張される(SLR・膝窩角)
本問はこの2つの二関節筋の作用方向を理解しているかを問う典型問題です。

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