PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第4問

理学療法評価学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第4問(理学療法評価学)の正答は 4 です。心電図はQRS幅の狭い上室性の調律ですが、R-R間隔が1拍ごとに少しずつ短くなった後(約0.98秒→0.94秒→0.93秒)、心室興奮が1拍脱落して約1.47秒の休止(ポーズ)が生じています。

問題
心電図(別冊No. 1)を別に示す。異常の原因となっている部位はどれか。
第48回午後第4問 図
  1. 1. 心房
  2. 2. 洞結節
  3. 3. ヒス束
  4. 4. 房室結節
  5. 5. プルキンエ線維

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 房室結節

心電図はQRS幅の狭い上室性の調律ですが、R-R間隔が1拍ごとに少しずつ短くなった後(約0.98秒→0.94秒→0.93秒)、心室興奮が1拍脱落して約1.47秒の休止(ポーズ)が生じています。この休止が直前のR-R間隔の2倍より短いことが決め手で、PQ間隔が漸増して最終的に心房興奮が心室に伝わらなくなるWenckebach型(MobitzI型)第2度房室ブロックの典型像です。伝導が途絶えている部位は房室結節です。


【各選択肢の解説】

1. 心房
❌ 誤り。心房由来の異常(心房細動・心房粗動・心房性期外収縮)では基線の細動波・鋸歯状波や、早期に出現する変形したP波がみられます。本例の基本調律は規則的で該当しません。
2. 洞結節
❌ 誤り。洞不全症候群(洞停止・洞房ブロック)では休止期の長さが基本のP-P間隔の整数倍になり、休止の前にR-R間隔が段階的に短縮していく変化はみられません。
3. ヒス束
❌ 誤り。ヒス束以下(脚)の伝導障害ではQRS幅が0.12秒以上に延び、脚ブロック波形を呈します。本例のQRSは幅が狭く正常です。
4. 房室結節
✅ 正しい。R-R間隔の漸次短縮と、直前のR-Rの2倍未満の休止を伴う心室興奮の脱落という所見はWenckebach型第2度房室ブロックであり、ブロック部位は房室結節です。
5. Purkinje線維
❌ 誤り。Purkinje線維など心室内伝導系の障害では幅の広いQRS(脚ブロック・心室調律)となります。本例はQRS幅が狭く該当しません。

【試験対策ポイント】

房室ブロックは型とブロック部位をセットで覚えます。

心電図所見主なブロック部位
第1度PQ間隔が0.20秒を超えて延長、脱落なし房室結節
第2度Wenckebach(MobitzI)PQが漸次延長して1拍脱落、休止は直前R-Rの2倍未満房室結節
第2度MobitzIIPQ一定のまま突然脱落ヒス束以下
第3度(完全)P波とQRSが無関係(房室解離)、補充調律房室結節〜ヒス束以下

Wenckebach型は迷走神経緊張でも生じ予後良好で運動療法が可能なことが多いのに対し、MobitzII型・完全房室ブロックはAdams-Stokes発作の危険がありペースメーカ適応です。この違いが実地問題で問われます。

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