PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第18問

内部障害理学療法第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第18問(内部障害理学療法)の正答は 5 です。右冠動脈に75%の狭窄が残り、心肺運動負荷試験中に胸部不快感(狭心症状)が出現しています。

問題
55歳の男性。搬送された病院で急性心筋梗塞と診断された。初期治療として、左冠動脈に対して経皮的冠動脈形成術が施行された。発症後1か月の検査所見では右冠動脈に75%の狭窄が認められ、心肺運動負荷試験中に胸部不快感が認められた。心肺運動負荷試験の結果に基づいて運動処方をする際に最も参考にすべき指標はどれか。
  1. 1. 最大換気量
  2. 2. 最大酸素摂取量
  3. 3. 血圧の変化量
  4. 4. 心拍数の変化量
  5. 5. 症状出現時の運動強度

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 症状出現時の運動強度

右冠動脈に75%の狭窄が残り、心肺運動負荷試験中に胸部不快感(狭心症状)が出現しています。これは心筋虚血が起きた強度=虚血閾値を示すため、運動処方はこの強度より低いレベルに設定しなければなりません。症状が出た時点の運動強度が、最も優先すべき安全域の指標になります。


【各選択肢の解説】

1. 最大換気量
❌ 誤り。換気能力の指標で、呼吸器疾患の評価には有用だが、心筋虚血の安全域を決める指標にはならない。
2. 最大酸素摂取量
❌ 誤り。全身持久力の指標だが、症状が出ている本例では最大まで負荷をかけること自体が危険。虚血が出現している以上、最大値を基準に処方できない。
3. 血圧の変化量
❌ 誤り。心筋酸素消費量の推定(二重積)に用いる補助的な指標。虚血症状が出ている場合は、血圧の推移より症状出現点が優先される。
4. 心拍数の変化量
❌ 誤り。Karvonen法など心拍数を用いた処方は有用だが、虚血閾値が判明している場合はそれを超えない範囲で設定する必要がある。またβ遮断薬使用時は心拍数が指標として使いにくい。
5. 症状出現時の運動強度
✅ 正しい。狭心症状が出現した強度が虚血閾値であり、運動処方はこれより低い強度(一般に心拍数で10拍/分程度下、あるいは1段階低い負荷)に設定する。

【試験対策ポイント】

心臓リハビリテーションの運動処方は「症状 > 客観的指標」の順で考えます。

  • 虚血症状・ST低下・危険な不整脈が出た場合 → その出現強度より低く設定(虚血閾値の下)
  • 症状が出ない場合 → 嫌気性代謝閾値(AT)レベル、または最大酸素摂取量の40〜60%、Karvonen法(係数0.4〜0.6)、Borg指数11〜13(楽である〜ややきつい)
運動中止基準(アンダーソン・土肥の基準など)も頻出です。胸痛・強い息切れ・めまい、収縮期血圧の低下、脈拍が安静時の1.2倍を大きく超える、危険な不整脈の出現、SpO2 90%未満などは中止のサインです。「症状が出たら、そこが上限」という原則を軸に覚えましょう。

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