第48回 理学療法士国家試験 午後 第8問
整形外科疾患理学療法第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第8問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。図では、義足側(右下肢)が立脚期になったときに体幹が前傾し腰椎前弯が著明に増強しています。
問題
義足装着側の立脚期に図のようなアライメント異常がみられた。異常の改善のために義足装着者に行う必要があるのはどれか。
- 1. 脊柱起立筋群の強化
- 2. 右股関節屈曲可動域の増大
- 3. 右股関節伸筋群の強化 ✓
- 4. 左股関節外転筋群の強化
- 5. 左膝伸筋群の強化
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 右股関節伸筋群の強化
図では、義足側(右下肢)が立脚期になったときに体幹が前傾し腰椎前弯が著明に増強しています。大腿義足の立脚期にみられる腰椎前弯の増強は、股関節伸筋(大殿筋)の筋力低下、股関節屈曲拘縮、ソケットの初期屈曲角不足などで生じます。この症例への対応としては、断端側である右股関節伸筋群の強化が必要です。
【各選択肢の解説】
1. 脊柱起立筋群の強化
❌ 誤り。腰椎前弯の増強は、股関節伸展不足を補うために脊柱起立筋が過活動している結果として生じた代償姿勢です。さらに強化しても前弯は改善せず、腰痛を助長します。
❌ 誤り。腰椎前弯の増強は、股関節伸展不足を補うために脊柱起立筋が過活動している結果として生じた代償姿勢です。さらに強化しても前弯は改善せず、腰痛を助長します。
2. 右股関節屈曲可動域の増大
❌ 誤り。腰椎前弯増強の原因のひとつは断端側の股関節屈曲拘縮であり、必要なのは伸展可動域の改善です。屈曲可動域を広げても改善しません。
❌ 誤り。腰椎前弯増強の原因のひとつは断端側の股関節屈曲拘縮であり、必要なのは伸展可動域の改善です。屈曲可動域を広げても改善しません。
3. 右股関節伸筋群の強化
✅ 正しい。義足側の立脚期に骨盤・体幹を起こして保持するには大殿筋を中心とした股関節伸筋の筋力が必要です。その低下が腰椎前弯増強の主因であり、強化が対応となります。
✅ 正しい。義足側の立脚期に骨盤・体幹を起こして保持するには大殿筋を中心とした股関節伸筋の筋力が必要です。その低下が腰椎前弯増強の主因であり、強化が対応となります。
4. 左股関節外転筋群の強化
❌ 誤り。股関節外転筋の弱化は前額面の異常(義足側立脚期の体幹側屈、外転歩行)として現れます。図の異常は矢状面の問題であり、また健側の外転筋を鍛えても改善しません。
❌ 誤り。股関節外転筋の弱化は前額面の異常(義足側立脚期の体幹側屈、外転歩行)として現れます。図の異常は矢状面の問題であり、また健側の外転筋を鍛えても改善しません。
5. 左膝伸筋群の強化
❌ 誤り。健側の膝伸筋の筋力は、義足側立脚期の腰椎前弯とは関係がありません。
❌ 誤り。健側の膝伸筋の筋力は、義足側立脚期の腰椎前弯とは関係がありません。
【試験対策ポイント】
大腿義足の異常歩行は「矢状面(前後)か前額面(左右)か」で切り分けると整理できます。
矢状面の異常=腰椎前弯増強(股関節伸筋の筋力低下、股関節屈曲拘縮、ソケット初期屈曲角不足)、伸び上がり歩行(義足が長い、膝継手の抵抗が大きい、足部が底屈位)、terminal impact(膝の伸展補助が強すぎる)。
前額面の異常=外転歩行(ソケット内側上縁が高い、義足が長い、内転筋部の疼痛)、体幹側屈(義足が短い、外側支持不足、中殿筋の筋力低下)、分回し歩行(義足が長い、膝継手の摩擦が強い、遊脚期の膝屈曲不足)。
原因は「義足側の問題(アライメント・ソケット・継手)」と「患者側の問題(筋力・拘縮・恐怖心)」の両方から考えるのが原則です。
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