第48回 理学療法士国家試験 午後 第20問
運動学第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第20問(運動学)の正答は 4 です。図の滑車Aは、天井の固定点から下りたロープが下側を回って再び上へ向かう動滑車で、その軸に下肢(8 kg)が吊り下げられています。
問題
患者が床面から20 cm鉛直挙上した位置で下肢を保持している状態を図に示す。Aの滑車は上下に移動するが、Bの滑車はフレームに固定され、滑車の位置は動かない。なお、保持する下肢の質量は8 kgで、滑車と紐の重量および摩擦力は考えなくてよい。床面から下肢を挙上するために、上肢で引き下げた紐の長さと保持に必要な力の組合せで正しいのはどれか。
- 1. 10 cm ―― 8 kg重
- 2. 20 cm ―― 4 kg重
- 3. 20 cm ―― 8 kg重
- 4. 40 cm ―― 4 kg重 ✓
- 5. 40 cm ―― 8 kg重
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 40 cm ―― 4 kg重
図の滑車Aは、天井の固定点から下りたロープが下側を回って再び上へ向かう動滑車で、その軸に下肢(8 kg)が吊り下げられています。ロープはさらに天井に固定された定滑車Bで方向を変えられ、背臥位の患者の手元へ下りています。動滑車では荷重を2本のロープで分担するため必要な力は荷重の1/2=4 kg重となり、その代わりロープを引く距離は持ち上げる距離の2倍=20 cm×2=40 cm必要になります。定滑車Bは力の向きを変えるだけで、力の大きさは変えません。
【各選択肢の解説】
1. 10 cm ―― 8 kg重
❌ 誤り。距離・力ともに誤りです。8 kg重は動滑車の効果を無視した値であり、10 cmを引いても下肢は5 cmしか挙上できません。
❌ 誤り。距離・力ともに誤りです。8 kg重は動滑車の効果を無視した値であり、10 cmを引いても下肢は5 cmしか挙上できません。
2. 20 cm ―― 4 kg重
❌ 誤り。力は4 kg重で正しいものの、距離が誤りです。動滑車では引く距離が挙上距離の2倍必要で、20 cmでは10 cmしか挙上できません。
❌ 誤り。力は4 kg重で正しいものの、距離が誤りです。動滑車では引く距離が挙上距離の2倍必要で、20 cmでは10 cmしか挙上できません。
3. 20 cm ―― 8 kg重
❌ 誤り。Aが定滑車であった場合(力も距離もそのまま)の値です。図のAは荷重とともに動く動滑車なので該当しません。
❌ 誤り。Aが定滑車であった場合(力も距離もそのまま)の値です。図のAは荷重とともに動く動滑車なので該当しません。
4. 40 cm ―― 4 kg重
✅ 正しい。動滑車Aにより必要な力は8 kg重の1/2の4 kg重となり、引く距離は挙上距離20 cmの2倍の40 cmとなります。定滑車Bは力の向きを変えるだけで、大きさにも距離にも影響しません。
✅ 正しい。動滑車Aにより必要な力は8 kg重の1/2の4 kg重となり、引く距離は挙上距離20 cmの2倍の40 cmとなります。定滑車Bは力の向きを変えるだけで、大きさにも距離にも影響しません。
5. 40 cm ―― 8 kg重
❌ 誤り。距離は正しいものの、力が誤りです。仕事量(力×距離)は保存されるため、距離が2倍になれば必要な力は1/2になります。
❌ 誤り。距離は正しいものの、力が誤りです。仕事量(力×距離)は保存されるため、距離が2倍になれば必要な力は1/2になります。
【試験対策ポイント】
滑車の問題は「仕事量は変わらない(力×距離=一定)」という原則1つで解けます。
- 定滑車:力の向きだけを変える。必要な力=荷重、引く距離=移動距離。
- 動滑車:滑車自体が荷重とともに動く。必要な力=荷重の1/2、引く距離=移動距離の2倍。動滑車がn個なら力は1/2のn乗、距離は2のn乗倍。
臨床では、動滑車は牽引や介助自動運動で患者の負担を半分にしたいとき(自分の手で反対側の下肢を吊り上げる懸垂運動など)に用います。方向を変えて操作しやすくするだけなら定滑車を使います。
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