PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第29問

解剖学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第29問(解剖学)の正答は 2・4 です。正中神経は前腕屈筋群の大部分(尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半分を除く)と、手内在筋のうち母指球筋(短母指外転筋・母指対立筋・短母指屈筋浅頭)および第1・2虫様筋を支配します。

問題
正中神経障害で麻痺を生じる筋はどれか。2つ選べ。
  1. 1. 母指内転筋
  2. 2. 長母指屈筋
  3. 3. 背側骨間筋
  4. 4. 橈側手根屈筋
  5. 5. 尺側手根屈筋

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — 長母指屈筋/橈側手根屈筋

正中神経は前腕屈筋群の大部分(尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半分を除く)と、手内在筋のうち母指球筋(短母指外転筋・母指対立筋・短母指屈筋浅頭)および第1・2虫様筋を支配します。長母指屈筋は前骨間神経(正中神経の枝)、橈側手根屈筋は正中神経本幹の支配なので、いずれも正中神経障害で麻痺します。


【各選択肢の解説】

1. 母指内転筋
❌ 誤り。尺骨神経(深枝)支配です。母指内転筋が麻痺すると母指内転力が落ち、代償で長母指屈筋が働くFroment徴候が陽性になります。
2. 長母指屈筋
✅ 正しい。正中神経の枝である前骨間神経支配です。前骨間神経麻痺では母指IP関節と示指DIP関節が曲がらず、つまみ動作でtear drop sign(涙のしずく徴候)を呈します。
3. 背側骨間筋
❌ 誤り。骨間筋(背側・掌側とも)はすべて尺骨神経深枝支配です。麻痺すると鷲手(claw hand)変形をきたします。
4. 橈側手根屈筋
✅ 正しい。正中神経支配で、手関節の屈曲+橈屈を行います。前腕近位での正中神経麻痺では手関節屈曲が尺屈方向に偏位します。
5. 尺側手根屈筋
❌ 誤り。尺骨神経支配で、前腕屈筋群のなかで唯一(深指屈筋尺側半とともに)尺骨神経が支配する筋です。

【試験対策ポイント】

前腕・手の神経支配は「例外だけ覚える」のが効率的です。

神経支配する手内在筋・前腕屈筋
正中神経前腕屈筋群のほぼ全部、母指球筋(母指内転筋を除く)、第1・2虫様筋
尺骨神経尺側手根屈筋・深指屈筋尺側半、骨間筋全部、第3・4虫様筋、小指球筋、母指内転筋、短母指屈筋深頭

麻痺の手の形は、正中神経=猿手(母指球萎縮・対立不能)、尺骨神経=鷲手、橈骨神経=下垂手でセット暗記します。

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