PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第70問

運動学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第70問(運動学)の正答は 5 です。母指CM関節(母指手根中手関節)は大菱形骨と第1中手骨からなる鞍関節で、屈曲・伸展、外転・内転、対立の運動が可能です。

問題
母指CM関節の屈曲に作用しない筋はどれか。
  1. 1. 短母指外転筋
  2. 2. 短母指屈筋
  3. 3. 母指内転筋
  4. 4. 母指対立筋
  5. 5. 掌側骨間筋

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 掌側骨間筋

母指CM関節(母指手根中手関節)は大菱形骨と第1中手骨からなる鞍関節で、屈曲・伸展、外転・内転、対立の運動が可能です。掌側骨間筋は第2・4・5指のMP関節の内転に働く筋で、母指CM関節の運動には関与しません


【各選択肢の解説】

1. 短母指外転筋
❌ 誤り(=作用する)。母指の掌側外転が主作用ですが、第1中手骨に停止して対立運動の一部を担い、CM関節の屈曲成分にも関与します。正中神経支配。
2. 短母指屈筋
❌ 誤り(=作用する)。名前のとおりCM関節およびMP関節の屈曲に働きます。浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経支配の二重支配です。
3. 母指内転筋
❌ 誤り(=作用する)。母指を手掌面に近づける内転が主作用ですが、第1中手骨を掌側へ引くためCM関節の屈曲にも関与します。尺骨神経支配で、麻痺するとFroment徴候が陽性になります。
4. 母指対立筋
❌ 誤り(=作用する)。対立運動は屈曲+外転+回内の複合運動であり、CM関節の屈曲成分を含みます。正中神経支配で、猿手では最も明瞭に萎縮します。
5. 掌側骨間筋
✅ 正しい(=作用しない)。掌側骨間筋は第2・4・5指を中指に近づける内転筋で、母指CM関節の屈曲には関与しません。これが本問の正答です。

【試験対策ポイント】

母指球筋4つの神経支配は最頻出です。正中神経=短母指外転筋・母指対立筋・短母指屈筋浅頭/尺骨神経=母指内転筋・短母指屈筋深頭。正中神経麻痺(手根管症候群)では母指球が萎縮して母指の掌側外転・対立ができない猿手、尺骨神経麻痺では母指内転筋が働かず、つまみ動作で長母指屈筋が代償して母指IP関節が屈曲するFroment徴候が出ます。骨間筋は「背側=外転(DAB)/掌側=内転(PAD)」の語呂で覚え、どちらも尺骨神経支配、MP屈曲+PIP・DIP伸展という虫様筋と同じ作用ももちます。母指の外転は「掌側外転(手掌面に垂直)」と「橈側外転(手掌面内)」を区別する点も要注意です。

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