第48回 理学療法士国家試験 午後 第73問
第48回 理学療法士国家試験 午後 第73問(運動学)の正答は 4 です。図は健常成人の歩行時の床反力垂直分力(片側)で、二峰性(M字型)の波形が2歩分描かれています。
- 1. 大殿筋
- 2. 中殿筋
- 3. 大腿二頭筋
- 4. 前脛骨筋 ✓
- 5. 腓腹筋
正答:4番
初回正答率 54.5%参考値
11人の初回解答から算出(2026年10月2日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
図は健常成人の歩行時の床反力垂直分力(片側)で、二峰性(M字型)の波形が2歩分描かれています。矢印Aが指すのは1歩目の波形が下降して床反力がゼロになった区間、すなわち足趾離地(toe off)直後で、その脚が遊脚期に入る時点です。遊脚期に足尖を床から引き離す(toe clearance を確保する)ために足関節を背屈させる前脛骨筋の活動が、この時点で増加します。
【各選択肢の解説】
❌ 誤り。大殿筋は遊脚終期から荷重応答期(踵接地前後)にかけて股関節伸展・体幹の前傾制動のために活動します。Aの時点(足が床を離れた直後)では活動は低下しています。
❌ 誤り。中殿筋は立脚期に骨盤の側方傾斜(対側の下制)を防ぐために働きます。床反力がゼロの遊脚期には荷重がかからないため活動は低下します。
❌ 誤り。ハムストリングスは遊脚終期に膝伸展を減速させ、荷重応答期に股関節を安定させるために活動します。Aの直後である遊脚初期は活動が最も少ない時期です。
✅ 正しい。足趾離地後、足部が床に引っかからないよう足関節を背屈位に保つため、遊脚期を通じて前脛骨筋が収縮します。麻痺すると下垂足となり、鶏歩や分回し歩行が生じます。
❌ 誤り。腓腹筋・ヒラメ筋は立脚中期から立脚終期(波形の2つ目のピーク=蹴り出し)にかけて最も活動します。足が床を離れた後は急速に活動が低下します。
【試験対策ポイント】
床反力垂直分力の二峰性波形の読み取りは頻出です。1つ目のピーク=荷重応答期(体重の約110〜120%、体重が急に乗る衝撃)/中間の谷=立脚中期(体重の約70〜80%、重心が最も高く上方への慣性で軽くなる)/2つ目のピーク=立脚終期(約110〜120%、蹴り出し)/ゼロの区間=遊脚期。前脛骨筋は「荷重応答期(踵接地後の底屈を遠心性に制動)と遊脚期(背屈保持でtoe clearance)」の二相性活動をする筋で、この二峰性の活動パターンが出題の核心です。逆に下腿三頭筋は立脚後半の単峰性活動。歩行周期は立脚期60%・遊脚期40%で、両脚支持期は1周期に2回(各約10%)ある点も併せて覚えましょう。
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