PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第74問

運動学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第74問(運動学)の正答は 4 です。肩甲骨の下制に働くのは、僧帽筋下部線維・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋(および前鋸筋下部)です。

問題
肩甲骨の下制に働かないのはどれか。
  1. 1. 広背筋
  2. 2. 小胸筋
  3. 3. 鎖骨下筋
  4. 4. 大菱形筋
  5. 5. 僧帽筋下部

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 大菱形筋

肩甲骨の下制に働くのは、僧帽筋下部線維・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋(および前鋸筋下部)です。大菱形筋は肩甲骨を挙上・内転(後退)・下方回旋させる筋で、下制には働きません。


【各選択肢の解説】

1. 広背筋
❌ 誤り(=下制に働く)。一部は肩甲骨下角に付着し、上腕骨を介した作用と合わせて肩甲帯を下方へ引き下げます。プッシュアップ動作での肩甲帯下制に重要です。
2. 小胸筋
❌ 誤り(=下制に働く)。第3〜5肋骨から烏口突起に停止し、肩甲骨を前下方へ引いて下制・下方回旋させます。短縮すると円背・巻き肩の一因になります。
3. 鎖骨下筋
❌ 誤り(=下制に働く)。第1肋骨から鎖骨下面に停止し、鎖骨を下方へ引くことで胸鎖関節を介して肩甲帯を下制・安定化させます。
4. 大菱形筋
✅ 正しい(=下制に働かない)。第2〜5胸椎棘突起から肩甲骨内側縁に停止し、肩甲骨を内上方へ引くため作用は挙上・内転・下方回旋です。下制作用はなく、これが本問の正答です。肩甲背神経支配。
5. 僧帽筋下部
❌ 誤り(=下制に働く)。下位胸椎棘突起から肩甲棘内側に停止し、肩甲骨を下制するとともに上部・前鋸筋と共同して上方回旋(フォースカップル)に関与します。

【試験対策ポイント】

肩甲骨の6方向の運動と筋を一覧で覚えます。挙上=僧帽筋上部・肩甲挙筋・菱形筋/下制=僧帽筋下部・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋/内転(後退)=僧帽筋中部・菱形筋/外転(前突)=前鋸筋・小胸筋/上方回旋=前鋸筋・僧帽筋上部+下部(フォースカップル)/下方回旋=菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋。菱形筋は「挙上+内転+下方回旋」の3つがセットで、下制には入らないのが本問の狙いです。前鋸筋麻痺(長胸神経)では翼状肩甲、僧帽筋麻痺(副神経)では肩甲骨の外転・下方回旋位となり、いずれも肩関節屈曲・外転の制限(上方回旋不全)につながります。

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