第48回 理学療法士国家試験 午後 第75問
内科学・臨床医学第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第75問(内科学・臨床医学)の正答は 1 です。深部静脈血栓症(DVT)はVirchowの3徴(血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)がそろうと発症します。
問題
深部静脈血栓症を起こしやすいのはどれか。
- 1. 人工膝関節置換術後 ✓
- 2. 橈骨遠位端骨折
- 3. 心房細動
- 4. 血友病
- 5. 高血圧
正答:1番
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解説
■ 正答:1番 — 人工膝関節置換術後
深部静脈血栓症(DVT)はVirchowの3徴(血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)がそろうと発症します。人工膝関節置換術後は、術中の下肢駆血と血管への機械的侵襲、術後の臥床・免荷による血流停滞、手術侵襲による凝固能亢進の3つがすべてそろう、DVTの代表的な高リスク病態です。
【各選択肢の解説】
1. 人工膝関節置換術後
✅ 正しい。下肢の大手術のなかでも人工膝関節・人工股関節置換術は最もDVT発症率が高く、予防なしでは深部静脈に血栓を生じる頻度が高いとされています。早期離床・足関節自動運動(足関節ポンプ)・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法・抗凝固療法が標準的予防策です。
✅ 正しい。下肢の大手術のなかでも人工膝関節・人工股関節置換術は最もDVT発症率が高く、予防なしでは深部静脈に血栓を生じる頻度が高いとされています。早期離床・足関節自動運動(足関節ポンプ)・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法・抗凝固療法が標準的予防策です。
2. 橈骨遠位端骨折
❌ 誤り。上肢の骨折であり、下肢の血流停滞を伴わず歩行も可能なため、DVTのリスクは高くありません。
❌ 誤り。上肢の骨折であり、下肢の血流停滞を伴わず歩行も可能なため、DVTのリスクは高くありません。
3. 心房細動
❌ 誤り。心房細動では左心房(とくに左心耳)内に血栓が形成され、心原性脳塞栓症の原因になります。生じるのは動脈系の塞栓であり、下肢深部静脈の血栓症ではありません。
❌ 誤り。心房細動では左心房(とくに左心耳)内に血栓が形成され、心原性脳塞栓症の原因になります。生じるのは動脈系の塞栓であり、下肢深部静脈の血栓症ではありません。
4. 血友病
❌ 誤り。血友病は凝固第Ⅷ因子(A型)または第Ⅸ因子(B型)の欠乏による出血性疾患で、関節内出血(血友病性関節症)が問題になります。血栓形成のリスクはむしろ低下します。
❌ 誤り。血友病は凝固第Ⅷ因子(A型)または第Ⅸ因子(B型)の欠乏による出血性疾患で、関節内出血(血友病性関節症)が問題になります。血栓形成のリスクはむしろ低下します。
5. 高血圧
❌ 誤り。高血圧は動脈硬化を介して脳梗塞・心筋梗塞・大動脈解離など動脈系疾患のリスク因子であり、静脈血栓症の直接的な危険因子ではありません。
❌ 誤り。高血圧は動脈硬化を介して脳梗塞・心筋梗塞・大動脈解離など動脈系疾患のリスク因子であり、静脈血栓症の直接的な危険因子ではありません。
【試験対策ポイント】
DVTの危険因子はVirchowの3徴で整理します。①血流停滞=長期臥床、下肢の不動・ギプス固定、長時間の座位(エコノミークラス症候群)、麻痺、②血管内皮障害=手術、外傷、骨折、中心静脈カテーテル、③凝固能亢進=悪性腫瘍、脱水、妊娠・産褥、経口避妊薬、脱水、加齢、肥満。理学療法士が押さえる臨床所見はHomans徴候(膝伸展位で足関節を背屈させると腓腹部に痛み)、患側下肢の腫脹・熱感・color変化・周径左右差です。最大の合併症は血栓が遊離して起こる肺血栓塞栓症で、離床直後の突然の呼吸困難・胸痛・SpO₂低下は緊急事態です。DVTが疑われる、あるいは診断されているが抗凝固療法が未開始の時期は、下肢のマッサージや他動運動を行わないことが鉄則です。
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