PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第78問

臨床心理学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第78問(臨床心理学)の正答は 1・2 です。転移は患者が過去の重要な人物(親など)に向けていた感情を治療者に向ける現象、逆転移は治療者が患者に対して抱く無意識的な感情反応です。

問題
転移・逆転移で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 逆転移は治療者の生活史を反映する。
  2. 2. 陰性転移は患者理解の手がかりになる。
  3. 3. 陽性転移がみられたら治療者を交代する。
  4. 4. 行動化は患者が転移を意識したときに生じる。
  5. 5. 逆転移を認識したら患者にそのことを伝える。

正答:1・2番

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解説
■ 正答:1・2番 — 逆転移は治療者の生活史を反映する/陰性転移は患者理解の手がかりになる

転移は患者が過去の重要な人物(親など)に向けていた感情を治療者に向ける現象、逆転移は治療者が患者に対して抱く無意識的な感情反応です。逆転移は治療者自身の生活史に根ざしており、陰性転移も含めて転移現象は患者理解の重要な素材となります。


【各選択肢の解説】

1. 逆転移は治療者の生活史を反映する。
✅ 正しい。逆転移は治療者が過去の対人関係の中で形づくった感情パターンの再現であり、治療者自身の生活史・未解決の葛藤を映し出します。だからこそ自己吟味とスーパービジョンが必要になります。
2. 陰性転移は患者理解の手がかりになる。
✅ 正しい。敵意・不信・怒りといった陰性転移も、患者が過去の重要人物に向けていた感情の再現であり、患者の対人関係パターンを理解する手がかりになります。
3. 陽性転移がみられたら治療者を交代する。
❌ 誤り。陽性転移(信頼・好意)は治療同盟を支える推進力にもなります。交代するのではなく、治療の中で言語化して扱うのが原則です。
4. 行動化は患者が転移を意識したときに生じる。
❌ 誤り。行動化(acting out)は、言語化・意識化されない感情が行動として表出される現象です。意識化されないときにこそ生じるのであって、意識できていれば言葉で表現できます。
5. 逆転移を認識したら患者にそのことを伝える。
❌ 誤り。逆転移はまず治療者自身が自覚し、スーパービジョンなどで処理するものです。安易に患者へ開示すると治療関係の枠組みを乱します。

【試験対策ポイント】

転移・逆転移で問われる核は次の3点です。

  • 転移=患者から治療者へ逆転移=治療者から患者へ(向きを取り違えない)
  • 陽性転移も陰性転移も、どちらも治療素材。「陰性だから中止・交代」は誤り
  • 行動化は「言葉にならない感情の行動化」=無意識の表出
理学療法場面でも、患者が担当者に強い依存や過度な要求を示す、逆に理由の見えない敵意を向けるといった形で転移は起こります。感情的に反応せず「今、何が再現されているのか」と一歩引いて捉える姿勢が問われます。

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