第48回 理学療法士国家試験 午後 第83問
整形外科学第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第83問(整形外科学)の正答は 3 です。肩手症候群は脳卒中後などに生じる複合性局所疼痛症候群(CRPS)Ⅰ型で、急性期(初期)には肩・手の疼痛とともに、手指の腫脹・発赤(皮膚紅潮)・熱感・発汗異常といった血管運動性の変化が現れます。
問題
肩手症候群で正しいのはどれか。
- 1. 初期は疼痛を伴わない。
- 2. 末期に手指腫脹がみられる。
- 3. 初期に皮膚紅潮がみられる。 ✓
- 4. 慢性期の温熱療法は禁忌である。
- 5. 複合性局所疼痛症候群(CRPS)Ⅱ型である。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 初期に皮膚紅潮がみられる。
肩手症候群は脳卒中後などに生じる複合性局所疼痛症候群(CRPS)Ⅰ型で、急性期(初期)には肩・手の疼痛とともに、手指の腫脹・発赤(皮膚紅潮)・熱感・発汗異常といった血管運動性の変化が現れます。
【各選択肢の解説】
1. 初期は疼痛を伴わない。
❌ 誤り。初期(急性期)から安静時痛・運動時痛が強く、痛みが肩手症候群の中心症状です。疼痛のために肩・手の運動が制限され、悪循環となります。
❌ 誤り。初期(急性期)から安静時痛・運動時痛が強く、痛みが肩手症候群の中心症状です。疼痛のために肩・手の運動が制限され、悪循環となります。
2. 末期に手指腫脹がみられる。
❌ 誤り。手指腫脹は初期(急性期)の所見です。末期(萎縮期)には腫脹は消退し、皮膚は蒼白・光沢を帯びて萎縮し、手指は屈曲拘縮を残します。
❌ 誤り。手指腫脹は初期(急性期)の所見です。末期(萎縮期)には腫脹は消退し、皮膚は蒼白・光沢を帯びて萎縮し、手指は屈曲拘縮を残します。
3. 初期に皮膚紅潮がみられる。
✅ 正しい。急性期には発赤・熱感・腫脹・発汗過多といった交感神経性の血管運動障害が出現します。進行すると皮膚は蒼白・冷感へと変化します。
✅ 正しい。急性期には発赤・熱感・腫脹・発汗過多といった交感神経性の血管運動障害が出現します。進行すると皮膚は蒼白・冷感へと変化します。
4. 慢性期の温熱療法は禁忌である。
❌ 誤り。慢性期(ジストロフィー期・萎縮期)では、疼痛緩和と拘縮予防のために温熱療法や関節可動域運動が積極的に用いられます。禁忌ではありません。
❌ 誤り。慢性期(ジストロフィー期・萎縮期)では、疼痛緩和と拘縮予防のために温熱療法や関節可動域運動が積極的に用いられます。禁忌ではありません。
5. 複合性局所疼痛症候群(CRPS)Ⅱ型である。
❌ 誤り。肩手症候群は明らかな末梢神経損傷を伴わないためCRPS Ⅰ型(旧・反射性交感神経性ジストロフィー:RSD)です。Ⅱ型は神経損傷を伴うカウザルギーを指します。
❌ 誤り。肩手症候群は明らかな末梢神経損傷を伴わないためCRPS Ⅰ型(旧・反射性交感神経性ジストロフィー:RSD)です。Ⅱ型は神経損傷を伴うカウザルギーを指します。
【試験対策ポイント】
肩手症候群は脳卒中発症後1〜3か月で片麻痺側に生じることが多く、肩関節亜脱臼・不用意な上肢の牽引・末梢の点滴などが誘因となります。
病期の順序と所見を対にして覚えます。第Ⅰ期(急性期)=疼痛・腫脹・発赤・熱感 → 第Ⅱ期(ジストロフィー期)=皮膚の萎縮・冷感・関節拘縮 → 第Ⅲ期(萎縮期)=疼痛軽減するが拘縮固定・骨萎縮という流れです。
CRPSのⅠ型とⅡ型の区別は「神経損傷の有無」だけで決まります。Ⅰ型=神経損傷なし(RSD・肩手症候群)、Ⅱ型=神経損傷あり(カウザルギー)と機械的に押さえます。予防としては、麻痺側上肢の適切なポジショニングと肩の牽引を避ける介助が最重要です。
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