第48回 理学療法士国家試験 午後 第82問
神経疾患理学療法第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第82問(神経疾患理学療法)の正答は 1・5 です。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類でステージ2は「手すりを使って階段昇降可能」な歩行期であり、この時期からアキレス腱短縮(尖足)予防のストレッチを行うのが適切です。
問題
Duchenne型筋ジストロフィーについて、厚生省筋萎縮研究班の機能障害度分類によるステージとリハビリテーションの内容の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. ステージ2 ―― 下腿三頭筋のストレッチ ✓
- 2. ステージ3 ―― 長下肢装具による歩行訓練
- 3. ステージ4 ―― 非侵襲的陽圧換気療法の開始
- 4. ステージ5 ―― 中殿筋の最大抵抗運動
- 5. ステージ6 ―― 座位保持装置による脊柱変形の予防 ✓
正答:1・5番
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解説
■ 正答:1・5番 — ステージ2の下腿三頭筋ストレッチ/ステージ6の座位保持装置による脊柱変形予防
厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類でステージ2は「手すりを使って階段昇降可能」な歩行期であり、この時期からアキレス腱短縮(尖足)予防のストレッチを行うのが適切です。ステージ6は「四つ這い不能・いざり移動可能」で、歩行喪失後に急速に進行する脊柱側弯を座位保持装置で予防する段階です。
【各選択肢の解説】
1. ステージ2 ―― 下腿三頭筋のストレッチ
✅ 正しい。歩行能力が残る早期から下腿三頭筋の短縮による尖足が始まります。ストレッチで関節可動域を維持することが歩行期間の延長につながります。
✅ 正しい。歩行能力が残る早期から下腿三頭筋の短縮による尖足が始まります。ストレッチで関節可動域を維持することが歩行期間の延長につながります。
2. ステージ3 ―― 長下肢装具による歩行訓練
❌ 誤り。ステージ3は「椅子からの起立が可能」でまだ独歩できる段階です。長下肢装具は起立・歩行が困難になるステージ5前後(歩行喪失期)に、立位保持や歩行期間の延長を目的として導入します。
❌ 誤り。ステージ3は「椅子からの起立が可能」でまだ独歩できる段階です。長下肢装具は起立・歩行が困難になるステージ5前後(歩行喪失期)に、立位保持や歩行期間の延長を目的として導入します。
3. ステージ4 ―― 非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の開始
❌ 誤り。ステージ4は「歩行可能(つかまり歩き)」の段階で、呼吸機能はまだ保たれています。NPPVは肺活量が著しく低下し高炭酸ガス血症・睡眠時低換気が出現する臥床期(ステージ7〜8)で導入します。
❌ 誤り。ステージ4は「歩行可能(つかまり歩き)」の段階で、呼吸機能はまだ保たれています。NPPVは肺活量が著しく低下し高炭酸ガス血症・睡眠時低換気が出現する臥床期(ステージ7〜8)で導入します。
4. ステージ5 ―― 中殿筋の最大抵抗運動
❌ 誤り。筋ジストロフィーでは過用性筋力低下(overwork weakness)を招くため、最大抵抗運動は禁忌です。運動は低〜中等度負荷にとどめます。
❌ 誤り。筋ジストロフィーでは過用性筋力低下(overwork weakness)を招くため、最大抵抗運動は禁忌です。運動は低〜中等度負荷にとどめます。
5. ステージ6 ―― 座位保持装置による脊柱変形の予防
✅ 正しい。歩行を失うと車椅子座位の時間が長くなり、脊柱側弯が急速に進行します。座位保持装置で骨盤・体幹をアライメントよく支持し、変形と呼吸機能低下を予防します。
✅ 正しい。歩行を失うと車椅子座位の時間が長くなり、脊柱側弯が急速に進行します。座位保持装置で骨盤・体幹をアライメントよく支持し、変形と呼吸機能低下を予防します。
【試験対策ポイント】
厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類(8段階)は、「歩行の可否」で前半と後半に割れると覚えます。
| ステージ | 機能 | 理学療法の主眼 |
|---|---|---|
| 1 | 階段昇降可能(手すりなし) | 拘縮予防のストレッチ、過用に注意 |
| 2 | 階段昇降可能(手すり使用) | 同上(下腿三頭筋ストレッチ) |
| 3 | 椅子からの起立可能 | 起立・移乗動作の維持 |
| 4 | 歩行可能(起立不能) | 歩行期間の延長、装具の検討 |
| 5 | 四つ這い可能(歩行不能) | 長下肢装具での立位、車椅子導入 |
| 6 | いざり移動可能 | 座位保持装置で側弯予防 |
| 7 | 座位保持可能 | 呼吸理学療法、環境制御装置 |
| 8 | 常時臥床 | NPPV、排痰援助、コミュニケーション支援 |
「最大抵抗運動は禁忌」「NPPVは末期」の2点が定番の誤り選択肢です。
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