PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第91問

内科学・臨床医学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第91問(内科学・臨床医学)の正答は 5 です。この設問は「誤っている組合せ」を選ぶ問題です。

問題
脈管疾患と関連因子の組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. Buerger病 ―― 喫煙
  2. 2. 下腿静脈瘤 ―― 妊娠
  3. 3. 解離性大動脈瘤 ―― アテローム硬化
  4. 4. 深部静脈血栓症 ―― 長期臥床
  5. 5. 結節性多発動脈炎 ―― 溶連菌感染症

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 結節性多発動脈炎 ―― 溶連菌感染症

この設問は「誤っている組合せ」を選ぶ問題です。結節性多発動脈炎(PAN)は中〜小動脈に生じる壊死性血管炎で、関連因子として知られているのはB型肝炎ウイルス感染であり、溶連菌感染症とは関連しません。したがって5番の組合せが誤りで、これが正答となります。


【各選択肢の解説】

1. Buerger病 ―― 喫煙
✅ 正しい組合せ。閉塞性血栓血管炎(Buerger病)は若年男性の喫煙者に好発し、四肢末梢の動脈に炎症性閉塞をきたします。禁煙が最も重要な治療です。
2. 下腿静脈瘤 ―― 妊娠
✅ 正しい組合せ。妊娠子宮による骨盤内静脈の圧迫と、プロゲステロンによる静脈壁の弛緩により、下肢の静脈還流が滞って静脈瘤を生じやすくなります。
3. 解離性大動脈瘤 ―― アテローム硬化
✅ 正しい組合せ。高血圧とアテローム性動脈硬化により中膜が脆弱化し、内膜の亀裂から血液が中膜内に流入して解離を起こします。
4. 深部静脈血栓症 ―― 長期臥床
✅ 正しい組合せ。長期臥床はVirchowの三徴のうち「血流の停滞」に該当し、下肢深部静脈に血栓を形成します。肺血栓塞栓症の原因となるため、早期離床と足関節の自動運動が予防の要です。
5. 結節性多発動脈炎 ―― 溶連菌感染症
❌ 誤り。PANの関連因子はB型肝炎ウイルスです。溶連菌感染症が関与するのはリウマチ熱・急性糸球体腎炎・IgA血管炎(Henoch-Schönlein紫斑病)などであり、PANとは結びつきません。

【試験対策ポイント】

血管疾患は「侵される血管の太さ」と「関連因子」で整理します。

  • Buerger病(閉塞性血栓血管炎):中〜小動脈、若年男性、喫煙が最大の危険因子
  • 閉塞性動脈硬化症(ASO):大〜中動脈、高齢者、糖尿病・高血圧・脂質異常症
  • 結節性多発動脈炎(PAN):中〜小動脈の壊死性血管炎、B型肝炎ウイルス、発熱・体重減少・多発単神経炎
  • 高安動脈炎(大動脈炎症候群):大動脈とその主要分枝、若年女性、上肢の脈拍消失(脈なし病)
  • 深部静脈血栓症:Virchowの三徴(血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)
理学療法では、深部静脈血栓症のある患者への下肢マッサージや急激な離床が肺血栓塞栓症を誘発する危険があります。Dダイマー、下肢の腫脹・熱感、Homans徴候を確認してから運動を開始します。

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