PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第93問

解剖学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第93問(解剖学)の正答は 3 です。嚥下の咽頭期は延髄の嚥下中枢が統括する反射で、その運動枝の中心が迷走神経(Ⅹ)です。

問題
嚥下に関わる神経とその働きの組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. 三叉神経 ―― 口唇閉鎖
  2. 2. 顔面神経 ―― 下顎の運動
  3. 3. 迷走神経 ―― 嚥下反射
  4. 4. 舌咽神経 ―― 舌の運動
  5. 5. 舌下神経 ―― 唾液分泌

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 迷走神経 ―― 嚥下反射

嚥下の咽頭期は延髄の嚥下中枢が統括する反射で、その運動枝の中心が迷走神経(Ⅹ)です。咽頭収縮筋・軟口蓋挙上・喉頭挙上・声門閉鎖・食道入口部の弛緩といった一連の運動を担い、嚥下反射の遂行に不可欠です。


【各選択肢の解説】

1. 三叉神経 ―― 口唇閉鎖
❌ 誤り。三叉神経(Ⅴ)は咀嚼筋(咬筋・側頭筋・翼突筋)を支配して下顎の運動を担い、顔面の感覚も司ります。口唇閉鎖(口輪筋)は顔面神経の役割です。
2. 顔面神経 ―― 下顎の運動
❌ 誤り。顔面神経(Ⅶ)は表情筋を支配し、口唇閉鎖や頬の緊張保持(食塊の保持)を担います。加えて舌前2/3の味覚と、顎下腺・舌下腺の唾液分泌にも関与します。下顎の運動は三叉神経です。
3. 迷走神経 ―― 嚥下反射
✅ 正しい。舌咽神経とともに咽頭期を担い、反回神経を介した声門閉鎖により誤嚥を防ぎます。迷走神経障害ではカーテン徴候・嗄声・誤嚥が生じます。
4. 舌咽神経 ―― 舌の運動
❌ 誤り。舌咽神経(Ⅸ)は咽頭・軟口蓋の知覚(嚥下反射の求心路)と舌後1/3の味覚、耳下腺の唾液分泌を担います。舌の運動は舌下神経です。
5. 舌下神経 ―― 唾液分泌
❌ 誤り。舌下神経(Ⅻ)は舌筋を支配する純粋な運動神経で、舌の運動(食塊形成・送り込み)を担います。唾液分泌は顔面神経と舌咽神経の副交感線維が担当します。

【試験対策ポイント】

嚥下に関わる脳神経は、嚥下の5期モデルのどこで働くかを対応させると整理できます。

  • 先行期・準備期(咀嚼):三叉神経Ⅴ(咀嚼筋・下顎運動)、顔面神経Ⅶ(口唇閉鎖・頬の保持・舌前2/3味覚)、舌下神経Ⅻ(舌による食塊形成)
  • 口腔期(送り込み):舌下神経Ⅻ(舌の運動)、迷走神経Ⅹ(軟口蓋挙上による鼻咽腔閉鎖)
  • 咽頭期(嚥下反射):舌咽神経Ⅸ(知覚=求心路)、迷走神経Ⅹ(運動=遠心路)、舌下神経Ⅻ(舌骨の挙上に関与)
  • 食道期:迷走神経Ⅹ(食道の蠕動)
「Ⅸは感覚(入力)・Ⅹは運動(出力)」と対にして覚えると、咽頭期の設問は確実に取れます。球麻痺(延髄の下位運動ニューロン障害)では舌の萎縮・線維束性攣縮を伴い、仮性球麻痺(両側の上位運動ニューロン障害)では萎縮がなく強制泣き笑いや下顎反射亢進を伴う点も鑑別として頻出です。

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