PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第5問

義肢装具学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第5問(義肢装具学)の正答は 3 です。強い内反尖足と立脚中期の膝ロッキング(反張膝)が問題点です。

問題
45歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。感覚障害は中等度。非麻痺側機能はおおむね良好。裸足での歩行は可能であるが、安定性が低下し速度も遅い。麻痺側の遊脚相で分回し歩行と強い内反尖足が出現する。立脚中期の膝ロッキングがみられる。この患者に適した装具はどれか。
  1. 1. 長下肢装具
  2. 2. 金属支柱付膝装具
  3. 3. クレンザック足継手付短下肢装具
  4. 4. プラスチック短下肢装具(足継手なし)
  5. 5. 靴型装具(長靴)

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — クレンザック足継手付短下肢装具

強い内反尖足と立脚中期の膝ロッキング(反張膝)が問題点です。クレンザック足継手は背屈補助のばねと底屈制限の角度調整ができるため、遊脚期のつま先の引っかかりを防ぎつつ、立脚期の急激な底屈による膝の過伸展を抑えられます。金属支柱付きなので痙性の強い内反にも矯正力があり、Tストラップの併用も可能です。


【各選択肢の解説】

1. 長下肢装具
❌ 誤り。下肢Brunnstrom法ステージⅢで膝の支持性はあり、裸足でも歩行可能な段階。膝関節まで固定すると重く歩行を阻害し、過剰な装具となる。
2. 金属支柱付膝装具
❌ 誤り。膝ロッキングの一次的な原因は足関節の底屈(内反尖足)であり、足部を放置して膝だけを制動しても分回し歩行と内反尖足は改善しない。
3. クレンザック足継手付短下肢装具
✅ 正しい。底屈制動角度をロッドで調整でき、内反尖足の矯正と反張膝の抑制を同時に狙える。痙性の強さや歩容の変化に合わせて再調整できる点も利点。
4. プラスチック短下肢装具(足継手なし)
❌ 誤り。軽量で整容性に優れるが、強い痙性内反尖足では矯正力・耐久性が不足し、角度の調整もできない。
5. 靴型装具(長靴)
❌ 誤り。足関節を包む形状でも継手による制動がなく、強い内反尖足の矯正力はほとんど得られない。反張膝にも無効。

【試験対策ポイント】

足関節の角度と膝の動きの関係は必修事項です。

  • 底屈位(尖足)で接地 → 立脚中期に下腿が前傾できず、膝伸展モーメントが増える → 反張膝(膝ロッキング)
  • 過度な背屈位に設定 → 立脚期に膝屈曲モーメントが増える → 膝折れ
装具選択は「①変形・痙性の強さ ②調整の必要性 ③重量・整容」で比較します。痙性が強く角度調整が要る例は金属支柱+クレンザック(またはダブルクレンザック)、痙性が軽く下垂足が主体ならプラスチックAFO、というのが定番の対比です。内反の矯正には外側Tストラップ(内側支柱へ引く)を追加する点も併せて押さえましょう。

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