PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第15問

理学療法評価学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第15問(理学療法評価学)の正答は 1 です。表の右股関節は屈曲90°、伸展−15°、外転0°、内転15°で、15°の屈曲拘縮と内転拘縮があります。

問題
右股関節の可動域を下表に示す。予想される歩行時の特徴はどれか。
第49回午前第15問 図
  1. 1. 左の歩幅の減少
  2. 2. 腰椎前弯の減少
  3. 3. 左伸び上がり歩行
  4. 4. 上肢の振り幅の増加
  5. 5. 左Trendelenburg徴候

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 左の歩幅の減少

表の右股関節は屈曲90°、伸展−15°、外転0°、内転15°で、15°の屈曲拘縮と内転拘縮があります。立脚終期に右股関節を伸展できないと、左下肢を前方へ振り出せる距離が制限されるため、左の歩幅(左ステップ長)が減少します。


【各選択肢の解説】

1. 左の歩幅の減少
✅ 正しい。歩幅は立脚側の股関節伸展可動域に依存する。右股伸展が−15°に制限されているため、右立脚終期に骨盤が前方へ移動できず、左下肢の振り出しが短くなる。
2. 腰椎前弯の減少
❌ 誤り。股関節屈曲拘縮は骨盤前傾で代償されるため、腰椎前弯はむしろ増強する。
3. 左伸び上がり歩行
❌ 誤り。伸び上がり歩行(vaulting)は、遊脚側下肢のクリアランス不足を補うため立脚側で踵を上げる代償。右股内転拘縮により右下肢は機能的に短縮するため、左立脚期に伸び上がる必要はない。
4. 上肢の振り幅の増加
❌ 誤り。可動域制限による歩行では歩行速度と歩幅が減少し、それに伴って上肢の振りも小さくなる
5. 左Trendelenburg徴候
❌ 誤り。Trendelenburg徴候は立脚側の股関節外転筋(中殿筋)の筋力低下で反対側の骨盤が下がる現象。本例は右股関節の可動域制限であり、左中殿筋の問題ではない。出現するとすれば右立脚期である。

【試験対策ポイント】

股関節拘縮と歩行の関係は「どちらの側に何が出るか」を整理して覚えます。

  • 屈曲拘縮 → 立脚終期の伸展不足 → 反対側の歩幅減少・骨盤前傾・腰椎前弯増強(代償)
  • 内転拘縮 → 患側下肢が機能的に短縮 → 患側立脚期に骨盤が下制、はさみ様歩行
  • 外転拘縮 → 患側下肢が機能的に延長 → 反対側で伸び上がり歩行・分回し
用語の混同にも注意。歩幅(ステップ長)は左右の踵接地間の距離、重複歩距離(ストライド長)は同側の踵接地間の距離です。またTrendelenburg徴候は「筋力低下」、Duchenne歩行は体幹を患側へ傾ける代償であり、可動域制限が原因の歩容変化とは区別して答える必要があります。

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