PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第43問

運動療法第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第43問(運動療法)の正答は 4 です。運動療法の中止基準として広く用いられるのがAnderson・土肥の基準です。

問題
全身持久力トレーニングを主体とした運動療法を中止すべき状態はどれか。
  1. 1. 心拍数が 100/分以上となる。
  2. 2. 収縮期血圧が 150 mmHg 以上となる。
  3. 3. 心拍数が安静時から 20/分以上増加する。
  4. 4. 拡張期血圧が安静時から 20 mmHg 以上増加する。
  5. 5. 収縮期血圧が安静時から 30 mmHg 以上増加する。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 拡張期血圧が安静時から 20 mmHg 以上増加する。

運動療法の中止基準として広く用いられるのがAnderson・土肥の基準です。ここでは「途中で運動を中止する場合」として、運動中の収縮期血圧が40mmHg以上、または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合、脈拍が140/分を超えた場合などが挙げられています。したがって拡張期血圧の20mmHg以上の上昇が中止基準に該当します。


【各選択肢の解説】

1. 心拍数が 100/分以上となる。
❌ 中止基準ではない。全身持久力トレーニングでは心拍数100/分程度は通常の運動反応の範囲内です。中止基準となるのは140/分を超えた場合です。
2. 収縮期血圧が 150 mmHg 以上となる。
❌ 中止基準ではない。運動時の収縮期血圧は負荷に応じて上昇するのが正常で、150mmHg程度は許容されます。運動を行わない方がよい基準は安静時収縮期血圧200mmHg以上です。
3. 心拍数が安静時から 20/分以上増加する。
❌ 中止基準ではない。運動により心拍数が20/分増加するのは生理的な反応で、むしろ有酸素運動として不足している可能性すらあります。
4. 拡張期血圧が安静時から 20 mmHg 以上増加する。
✅ 中止基準である。拡張期血圧は運動時にほとんど変化しない(あるいはやや低下する)のが正常で、20mmHg以上の上昇は末梢血管抵抗の異常な増大を示し、心血管系への過負荷を意味します。
5. 収縮期血圧が安静時から 30 mmHg 以上増加する。
❌ 中止基準ではない。収縮期血圧は運動により上昇するのが正常な反応で、中止基準は40mmHg以上の上昇です。30mmHgでは基準に達しません。

【試験対策ポイント】

Anderson・土肥の基準は数値をそのまま覚えるのが得点源です。

区分主な基準
運動を行わない方がよい安静時脈拍120/分以上、拡張期血圧120mmHg以上、収縮期血圧200mmHg以上、労作性狭心症の発作が当日ある、心房細動以外の著しい不整脈、発熱37.5度以上
途中で中止する脈拍140/分を超えた、運動中に収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上の上昇、中等度以上の呼吸困難・めまい・嘔気・狭心痛
一時中止して回復を待つ脈拍が運動前の30%を超えて増加、脈拍が120/分を超えた、1分間10回以上の期外収縮

拡張期血圧は運動しても上がらないのが正常という生理学的原則を押さえておけば、20mmHgという小さい数値でも中止基準になることが納得できます。

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