PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第44問

理学療法評価学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第44問(理学療法評価学)の正答は 1・3 です。これは「誤っているのはどれか」を問う問題です。

問題
健常者に対する血圧測定について誤っているのはどれか。
  1. 1. 背臥位は立位と比べて脈圧が小さい。
  2. 2. 足部は上腕部と比べて収縮期血圧が高くなる。
  3. 3. 聴診器をマンシェットと腕の間に挟んで固定する。
  4. 4. 座位での測定はマンシェットと心臓の高さを合わせる。
  5. 5. Korotkoff音が聞こえ始めた点(第 1 点)を収縮期血圧とする。

正答:1・3番

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解説
■ 正答:1・3番 — 背臥位は立位と比べて脈圧が小さい/聴診器をマンシェットと腕の間に挟んで固定する

これは「誤っているのはどれか」を問う問題です。背臥位では重力の影響が減って静脈還流量が増え、一回拍出量が増加するため脈圧はむしろ大きくなります。また聴診器はマンシェットの下端よりも末梢の上腕動脈上に軽く当てるのが正しく、マンシェットの下に挟み込むと局所の圧迫で正確な測定ができません。


【各選択肢の解説】

1. 背臥位は立位と比べて脈圧が小さい。
❌ 誤り。臥位では静脈還流量が増加して一回拍出量が増え、収縮期血圧が上がるため脈圧(収縮期血圧マイナス拡張期血圧)は大きくなります。立位では下肢への血液貯留で一回拍出量が減り、脈圧は小さくなります。
2. 足部は上腕部と比べて収縮期血圧が高くなる。
✅ 正しい。末梢へ行くほど脈波の反射により収縮期血圧が高くなり、足関節部は上腕より高い値を示します。この性質を利用したのが足関節上腕血圧比(ABI)で、正常は1.0〜1.3です。
3. 聴診器をマンシェットと腕の間に挟んで固定する。
❌ 誤り。マンシェットの下端から2〜3cm末梢の上腕動脈拍動部に、強く押しつけずに当てます。挟み込むと圧の分布が乱れ、拡張期血圧が低く出るなどの誤差を生じます。
4. 座位での測定はマンシェットと心臓の高さを合わせる。
✅ 正しい。測定部位が心臓より高いと血圧は低く、低いと高く出ます。心臓(右心房の高さ)に合わせるのが原則です。
5. Korotkoff音が聞こえ始めた点(第 1 点)を収縮期血圧とする。
✅ 正しい。Korotkoff第1点(音が聞こえ始める)が収縮期血圧、第5点(音が消失する)が拡張期血圧です。

【試験対策ポイント】

血圧測定の手技上の誤差要因は、方向まで含めて覚えると確実です。

条件血圧値への影響
マンシェットの幅が狭い・巻き方がゆるい高く出る
マンシェットの幅が広い・きつく巻きすぎ低く出る
測定部位が心臓より低い高く出る
測定部位が心臓より高い低く出る
減圧速度が速すぎる収縮期は低く、拡張期は高く出る

標準的な手技は、上腕用マンシェット幅12〜14cm、下端が肘窩の2〜3cm上、指が2本入る程度の巻き加減、減圧速度は1拍に2〜3mmHg(毎秒2〜3mmHg)です。臥位・座位・立位による脈圧の違いは循環生理と絡めて出題されるので、「臥位=静脈還流増加=一回拍出量増加=脈圧大」の流れで理解しましょう。

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