PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第71問

運動学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第71問(運動学)の正答は 5 です。横つまみ(側腹つまみ・key pinch)は、母指の指腹を示指の橈側面に押しつけて物をはさむ動作です。

問題
指尖つまみに比べ横つまみでより働く筋はどれか。
  1. 1. 短掌筋
  2. 2. 虫様筋
  3. 3. 短母指伸筋
  4. 4. 短母指外転筋
  5. 5. 第1背側骨間筋

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 第1背側骨間筋

横つまみ(側腹つまみ・key pinch)は、母指の指腹を示指の橈側面に押しつけて物をはさむ動作です。このとき示指を橈側へ押し返して母指の力を受け止める必要があり、示指を橈側外転させる第1背側骨間筋が強く働きます。


【各選択肢の解説】

1. 短掌筋
❌ 誤り。短掌筋は小指球部の皮膚を緊張させる皮筋で、手掌のグリップ面の安定に多少関与する程度です。つまみ動作の主動筋ではありません。
2. 虫様筋
❌ 誤り。虫様筋はMP関節屈曲・PIP/DIP関節伸展に働き、指先を対象に合わせる指尖つまみでむしろ重要です。横つまみで特に活動が高まる筋ではありません。
3. 短母指伸筋
❌ 誤り。母指MP関節の伸展・橈側外転に働く筋で、つまみで母指を屈曲・内転させる動作とは逆向きです。
4. 短母指外転筋
❌ 誤り。母指を掌側外転させて対立位をつくる筋で、母指と示指の指腹を向かい合わせる指尖つまみで強く働きます(正中神経支配)。
5. 第1背側骨間筋
✅ 正しい。示指を橈側へ外転させ、母指からの圧力に対抗して示指橈側面を安定させます。横つまみでは母指内転筋とともに活動が高まり、いずれも尺骨神経支配です。

【試験対策ポイント】

つまみの種類と主働筋・支配神経の対応は頻出です。

つまみの種類接触部位主に働く筋神経
指尖つまみ(tip pinch)母指と示指の指尖短母指外転筋・母指対立筋・長母指屈筋・深指屈筋正中神経
指腹つまみ(palmar pinch)母指と示指・中指の指腹母指球筋・虫様筋正中神経
横つまみ(key pinch)母指指腹と示指橈側面母指内転筋・第1背側骨間筋尺骨神経
  • Froment徴候(紙を横つまみで引くと母指IPが屈曲する)は母指内転筋の麻痺=尺骨神経麻痺の所見。横つまみが尺骨神経支配であることの裏返し
  • 正中神経麻痺(猿手)では指尖つまみが困難になり、代償として横つまみを用いる
  • 骨間筋の作用は「背側は外転(DAB)・掌側は内転(PAD)」で覚える
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