PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第89問

神経内科学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第89問(神経内科学)の正答は 5 です。重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により神経筋伝達が障害される疾患です。

問題
重症筋無力症で正しいのはどれか。
  1. 1. 女性より男性に多く発症する。
  2. 2. 四肢では遠位筋の筋力低下が起きやすい。
  3. 3. 夕方にかけて症状は軽快する。
  4. 4. 末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる。
  5. 5. コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる。

重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により神経筋伝達が障害される疾患です。治療にはアセチルコリンの分解を抑えて伝達効率を高めるコリンエステラーゼ阻害薬(ピリドスチグミンなど)が対症療法として用いられ、ほかに副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、胸腺摘除術が行われます。


【各選択肢の解説】

1. 女性より男性に多く発症する。
❌ 誤り。逆で女性に約2倍多く、若年女性と高齢男性の二峰性のピークをもちます。
2. 四肢では遠位筋の筋力低下が起きやすい。
❌ 誤り。四肢では近位筋優位の筋力低下をきたします。初発症状としては眼瞼下垂・複視など外眼筋症状が最も多くみられます。
3. 夕方にかけて症状は軽快する。
❌ 誤り。日内変動が特徴で、朝は比較的軽く夕方にかけて増悪します。反復使用で悪化し休息で回復する「易疲労性」が本態です。
4. 末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる。
❌ 誤り。反復(3Hz程度の低頻度)刺激で複合筋活動電位の振幅が漸減する(waning/漸減現象)のが特徴です。高頻度刺激で振幅が漸増(waxing)するのはLambert-Eaton筋無力症候群です。
5. コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる。
✅ 正しい。診断のためのエドロホニウム(テンシロン)試験も同じ機序を利用します。

【試験対策ポイント】

項目重症筋無力症Lambert-Eaton症候群
障害部位シナプス後膜(AChR抗体)シナプス前膜(P/Q型カルシウムチャネル抗体)
筋力低下眼症状・球症状が主・近位筋下肢近位筋優位
反復刺激低頻度で漸減(waning)高頻度で漸増(waxing)
運動後悪化(易疲労性)一時的に改善
合併胸腺腫肺小細胞癌

PTでの注意点=過用性筋力低下(overwork weakness)を避ける。疲労を残さない強度・短時間で休息を挟む運動を行い、症状の軽い午前中に訓練を設定する。嚥下障害と呼吸筋麻痺(クリーゼ)に常に注意する。

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