第49回 理学療法士国家試験 午後 第13問
整形外科学第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第13問(整形外科学)の正答は 3 です。写真では手関節は背屈位を保てており、示指だけがまっすぐ伸展しているのに対し、中指・環指・小指はMP関節で垂れ下がって伸展できていません。
問題
58歳の女性。12年前発症の関節リウマチ。突然指が伸展できなくなり受診した。受診時の手の写真(別冊No.3)を別に示す。障害されたのはどれか。
- 1. 橈骨神経
- 2. 長橈側手根伸筋
- 3. (総)指伸筋 ✓
- 4. 固有示指伸筋
- 5. 尺側手根伸筋
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — (総)指伸筋
写真では手関節は背屈位を保てており、示指だけがまっすぐ伸展しているのに対し、中指・環指・小指はMP関節で垂れ下がって伸展できていません。関節リウマチでは、遠位橈尺関節(背側に突出した尺骨頭)の部分で滑膜炎による摩擦が起こり、そこを走る伸筋腱が小指側から順に皮下断裂します(Vaughan-Jackson症候群)。示指だけ伸ばせるのは固有示指伸筋が残っているためで、断裂したのは(総)指伸筋です。
【各選択肢の解説】
1. 橈骨神経
❌ 誤り。橈骨神経麻痺なら手関節も背屈できず下垂手となり、示指も伸展できない。写真では手関節背屈と示指の伸展が保たれており矛盾する。
❌ 誤り。橈骨神経麻痺なら手関節も背屈できず下垂手となり、示指も伸展できない。写真では手関節背屈と示指の伸展が保たれており矛盾する。
2. 長橈側手根伸筋
❌ 誤り。手関節を背屈・橈屈させる筋で、手指の伸展には関与しない。写真では手関節が背屈できている。
❌ 誤り。手関節を背屈・橈屈させる筋で、手指の伸展には関与しない。写真では手関節が背屈できている。
3. (総)指伸筋
✅ 正しい。示指以外の指がMP関節で伸展できず垂れ下がるという所見に一致する。腱断裂では他動的には指を伸ばせるのが麻痺との違い。
✅ 正しい。示指以外の指がMP関節で伸展できず垂れ下がるという所見に一致する。腱断裂では他動的には指を伸ばせるのが麻痺との違い。
4. 固有示指伸筋
❌ 誤り。断裂すれば示指の独立伸展が落ちるが、総指伸筋があるため示指もある程度伸ばせる。写真は逆に示指だけが伸展できており、所見が反対。
❌ 誤り。断裂すれば示指の独立伸展が落ちるが、総指伸筋があるため示指もある程度伸ばせる。写真は逆に示指だけが伸展できており、所見が反対。
5. 尺側手根伸筋
❌ 誤り。手関節の伸展・尺屈に働く筋で、手指の伸展はできなくならない。関節リウマチでは掌側・尺側へ亜脱臼しやすい腱だが、本例の所見とは異なる。
❌ 誤り。手関節の伸展・尺屈に働く筋で、手指の伸展はできなくならない。関節リウマチでは掌側・尺側へ亜脱臼しやすい腱だが、本例の所見とは異なる。
【試験対策ポイント】
関節リウマチの手の所見はまとめて覚えます。
- 変形 … MP関節の尺側偏位、スワンネック変形(PIP過伸展+DIP屈曲)、ボタンホール(ボタン穴)変形(PIP屈曲+DIP過伸展)、ムチランス変形、Z変形(母指)。
- 腱断裂 … Vaughan-Jackson症候群=尺骨頭部での伸筋腱皮下断裂。小指→環指→中指の順に進む。Mannerfelt症候群=手根管内での長母指屈筋腱断裂。
- 鑑別のコツ … 急に指が伸ばせなくなったら「麻痺」より「腱断裂」を疑う。腱断裂では他動的には伸展でき、手関節を掌屈させても腱固定効果で指が伸びてこない。
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