第49回 理学療法士国家試験 午後 第14問
整形外科疾患理学療法第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第14問(整形外科疾患理学療法)の正答は 4 です。走塁中に生じた大腿後面の疼痛はハムストリングスの肉離れ(筋挫傷)で、受傷直後の急性期です。
問題
25歳の男性。野球の試合で走塁中に右大腿後面に違和感と痛みとを生じ、近くの整形外科を受診した。大腿部エックス線写真では骨折を認めなかった。現時点の対応で適切でないのはどれか。
- 1. 下肢の挙上
- 2. 浮腫の予防
- 3. アイシング
- 4. 超音波照射 ✓
- 5. 弾性包帯での圧迫
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 超音波照射
走塁中に生じた大腿後面の疼痛はハムストリングスの肉離れ(筋挫傷)で、受傷直後の急性期です。急性期はRICE(Rest 安静・Icing 冷却・Compression 圧迫・Elevation 挙上)が原則であり、組織温を上げて血流を増やす温熱は出血と腫脹を助長するため行いません。設問は「適切でないもの」を問うているので、超音波照射が正答となります。
【各選択肢の解説】
1. 下肢の挙上
✅ 正しい。RICEのElevationで、患部を心臓より高く保つことで静脈還流を促し腫脹を抑える。
✅ 正しい。RICEのElevationで、患部を心臓より高く保つことで静脈還流を促し腫脹を抑える。
2. 浮腫の予防
✅ 正しい。急性期の腫脹を最小限にすることが、その後の可動域制限や過剰な瘢痕形成を防ぐ。
✅ 正しい。急性期の腫脹を最小限にすることが、その後の可動域制限や過剰な瘢痕形成を防ぐ。
3. アイシング
✅ 正しい。RICEのIcingで、血管収縮によって出血・炎症・二次的な低酸素性組織損傷を抑える。1回15〜20分を目安に反復する。
✅ 正しい。RICEのIcingで、血管収縮によって出血・炎症・二次的な低酸素性組織損傷を抑える。1回15〜20分を目安に反復する。
4. 超音波照射
❌ 誤り(適切でない)。超音波の温熱効果は血流を増加させるため、受傷直後では出血・腫脹を悪化させる。温熱や超音波は炎症が落ち着いた亜急性期以降に用いる。
❌ 誤り(適切でない)。超音波の温熱効果は血流を増加させるため、受傷直後では出血・腫脹を悪化させる。温熱や超音波は炎症が落ち着いた亜急性期以降に用いる。
5. 弾性包帯による圧迫
✅ 正しい。RICEのCompressionで、出血と腫脹の広がりを抑える。末梢の循環障害が出ない強さで巻く。
✅ 正しい。RICEのCompressionで、出血と腫脹の広がりを抑える。末梢の循環障害が出ない強さで巻く。
【試験対策ポイント】
急性外傷の初期対応はRICE、近年はPOLICE(Protection 保護・Optimal Loading 適切な負荷・Ice・Compression・Elevation)としてまとめられます。受傷後おおむね48〜72時間は、悪化因子であるHARM(Heat 温熱・Alcohol 飲酒・Running 運動・Massage マッサージ)を避けます。
肉離れそのものの知識も押さえます。ハムストリングスでは大腿二頭筋長頭に最も多く、遊脚後期の遠心性収縮時に起こります。再発率が高いので、疼痛消失だけで復帰させず、可動域・筋力(とくに遠心性収縮)・スプリント動作を段階的に確認してから復帰させます。物理療法では「急性期=寒冷、亜急性期以降=温熱・超音波」という切り替えの時期が繰り返し問われます。
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