PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第31問

神経内科学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第31問(神経内科学)の正答は 4 です。前脊髄動脈症候群では脊髄の前2/3(前・側索)が虚血に陥り、外側脊髄視床路が障害されるため損傷レベル以下の温度覚・痛覚が低下します。

問題
前脊髄動脈症候群において損傷レベル以下で低下する感覚はどれか。
  1. 1. 二点識別覚
  2. 2. 運動覚
  3. 3. 位置覚
  4. 4. 温度覚
  5. 5. 振動覚

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 温度覚

前脊髄動脈症候群では脊髄の前2/3(前・側索)が虚血に陥り、外側脊髄視床路が障害されるため損傷レベル以下の温度覚・痛覚が低下します。一方、後索(薄束・楔状束)は後脊髄動脈支配で保たれるため、深部感覚(位置覚・振動覚)や二点識別覚は温存されるのが特徴です(解離性感覚障害)。


【各選択肢の解説】

1. 二点識別覚
❌ 誤り。二点識別覚は後索-内側毛帯路を通ります。後索は後脊髄動脈が栄養するため前脊髄動脈症候群では温存されます。
2. 運動覚
❌ 誤り。運動覚(深部感覚)も後索経由のため温存されます。
3. 位置覚
❌ 誤り。位置覚も後索経由であり、前脊髄動脈症候群では保たれます。
4. 温度覚
✅ 正しい。温度覚・痛覚は前側索の外側脊髄視床路を上行するため、前2/3の虚血で損傷レベル以下に障害が出ます。
5. 振動覚
❌ 誤り。振動覚も後索を通る深部感覚であり、温存されます。

【試験対策ポイント】

脊髄の伝導路と血管支配をセットで整理する。

伝導路通る感覚支配動脈前脊髄動脈症候群
外側脊髄視床路(前側索)温度覚・痛覚前脊髄動脈障害される
後索-内側毛帯路触圧覚・位置覚・振動覚・二点識別覚後脊髄動脈温存される
皮質脊髄側索路(側索)運動前脊髄動脈障害される(運動麻痺)
  • 前脊髄動脈は脊髄の前2/3、後脊髄動脈(2本)は後1/3を栄養する。
  • 「運動麻痺+温痛覚障害があるのに深部感覚は保たれる」=前脊髄動脈症候群、と即答できるようにする。
  • 対比で覚える脊髄症候群:Brown-Séquard症候群(半側切断=同側の運動麻痺・深部感覚障害+対側の温痛覚障害)、中心性脊髄損傷(上肢優位の麻痺)、後索症候群(深部感覚障害・感覚性失調)。
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