PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第35問

整形外科学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第35問(整形外科学)の正答は 3 です。ボタンホール(ボタン穴)変形は、PIP関節背側を通る伸筋腱の中央索(central slip)の断裂により生じます。

問題
手指の拘縮・変形とその原因の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. Volkmann拘縮 ―― 上腕の阻血
  2. 2. Dupuytren拘縮 ―― 手掌腱膜の断裂
  3. 3. ボタンホール変形 ―― PIP関節の伸筋腱断裂
  4. 4. スワンネック変形 ―― DIP関節の屈筋腱断裂
  5. 5. 槌指変形 ―― MP関節の屈筋腱断裂

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — ボタンホール変形 ―― PIP関節の伸筋腱断裂

ボタンホール(ボタン穴)変形は、PIP関節背側を通る伸筋腱の中央索(central slip)の断裂により生じます。中央索が切れるとPIP関節が屈曲し、側索が掌側へ滑り落ちて相対的にDIP関節が過伸展する、という変形になります。


【各選択肢の解説】

1. Volkmann拘縮 ―― 上腕の阻血
❌ 誤り。Volkmann拘縮は前腕屈筋群の阻血(コンパートメント症候群)による拘縮です。上腕骨顆上骨折などで上腕動脈が損傷されることが契機になりますが、壊死・拘縮を起こす部位は前腕の屈筋群です。
2. Dupuytren拘縮 ―― 手掌腱膜の断裂
❌ 誤り。Dupuytren拘縮は手掌腱膜の肥厚・線維性の索状硬結による拘縮で、断裂ではありません。環指・小指のMP・PIP関節が屈曲拘縮します。
3. ボタンホール変形 ―― PIP関節の伸筋腱断裂
✅ 正しい。PIP関節背側の伸筋腱中央索が断裂して起こります。PIP関節屈曲+DIP関節過伸展が特徴です。
4. スワンネック変形 ―― DIP関節の屈筋腱断裂
❌ 誤り。スワンネック変形はPIP関節過伸展+DIP関節屈曲の変形で、関節リウマチや手内在筋の短縮、マレット指の続発などで起こります。DIP関節の屈筋腱断裂が原因ではありません。
5. 槌指変形 ―― MP関節の屈筋腱断裂
❌ 誤り。槌指(マレットフィンガー)はDIP関節の伸筋腱(終止腱)の断裂または末節骨の裂離骨折で生じ、DIP関節が屈曲位のまま伸展できなくなります。

【試験対策ポイント】

手指の変形は「どの関節がどちらに曲がるか」で覚える。

変形PIP関節DIP関節原因
ボタンホール(ボタン穴)変形屈曲過伸展伸筋腱中央索の断裂
スワンネック変形過伸展屈曲内在筋短縮・関節リウマチなど
槌指(マレットフィンガー)屈曲(伸展不能)終止腱の断裂・裂離骨折
  • Volkmann拘縮=前腕屈筋群の阻血性拘縮。手関節屈曲・MP伸展・PIP/DIP屈曲の特有肢位。上腕骨顆上骨折の合併症として頻出。
  • Dupuytren拘縮=手掌腱膜の肥厚。中高年男性・環指小指・糖尿病や飲酒と関連。
  • 関節リウマチの手指変形は尺側偏位(MP関節)スワンネック変形ボタンホール変形、母指のZ変形をセットで押さえる。
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