PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第36問

神経内科学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第36問(神経内科学)の正答は 2・5 です。副神経は僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配するため、麻痺すると肩甲骨の挙上・上方回旋が障害されます。

問題
末梢神経障害における症状で正しい組合せはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 顔面神経 ―― 開眼障害
  2. 2. 副神経 ―― 肩甲骨挙上障害
  3. 3. 橈骨神経 ―― 前腕回内障害
  4. 4. 閉鎖神経 ―― 股関節外転障害
  5. 5. 脛骨神経 ―― 足関節底屈障害

正答:2・5番

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解説
■ 正答:2・5番 — 副神経―肩甲骨挙上障害/脛骨神経―足関節底屈障害

副神経は僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配するため、麻痺すると肩甲骨の挙上・上方回旋が障害されます。脛骨神経は下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)を支配するため、麻痺すると足関節の底屈が障害され、つま先立ちができなくなります。


【各選択肢の解説】

1. 顔面神経 ―― 開眼障害
❌ 誤り。顔面神経は眼輪筋を支配するため、麻痺で生じるのは閉眼障害(兎眼、Bell現象)です。開眼(上眼瞼挙筋)は動眼神経支配で、その麻痺では眼瞼下垂を生じます。
2. 副神経 ―― 肩甲骨挙上障害
✅ 正しい。副神経は僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配します。麻痺により僧帽筋上部線維の働きが失われ、肩甲骨の挙上・上方回旋が障害され、翼状肩甲や肩の下垂を生じます。
3. 橈骨神経 ―― 前腕回内障害
❌ 誤り。前腕の回内は円回内筋・方形回内筋(正中神経支配)が行います。橈骨神経は回外筋を支配するため、障害されるのは回外です。
4. 閉鎖神経 ―― 股関節外転障害
❌ 誤り。閉鎖神経は内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋など)を支配するため、障害されるのは股関節内転です。外転(中殿筋・小殿筋)は上殿神経支配です。
5. 脛骨神経 ―― 足関節底屈障害
✅ 正しい。脛骨神経は下腿三頭筋をはじめとする下腿後面の筋を支配します。麻痺により底屈が障害され、つま先立ちができず、踵足(踵足歩行)となります。

【試験対策ポイント】

神経と障害される運動の対応は毎年出題される。

神経主な支配筋麻痺で障害される運動
顔面神経眼輪筋・口輪筋閉眼・口角の引き上げ
副神経僧帽筋・胸鎖乳突筋肩甲骨挙上・頸部回旋
橈骨神経上腕三頭筋・手根伸筋・回外筋肘伸展・手関節伸展・回外(下垂手)
正中神経円回内筋・橈側手根屈筋・母指球筋回内・母指対立(猿手)
尺骨神経骨間筋・小指球筋手指の内外転(鷲手)
閉鎖神経内転筋群股関節内転
上殿神経中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋股関節外転(Trendelenburg徴候)
大腿神経大腿四頭筋・腸腰筋膝伸展・股屈曲
総腓骨(深腓骨)神経前脛骨筋足関節背屈(下垂足)
脛骨神経下腿三頭筋・後脛骨筋足関節底屈・内返し(踵足)
  • 「顔面神経=閉眼」「橈骨神経=回外」「閉鎖神経=内転」の3つは誤選択肢の定番なので確実に。
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